1. 企業情報
旭有機材は、旭化成グループに属し、樹脂バルブで高いシェアを誇る企業です。主な事業は、配管システム（樹脂バルブ、パイプなど）、樹脂製品（フェノール樹脂など）、水処理・資源開発（水処理設備、地熱開発など）です。特に半導体製造装置向けのバルブや、水処理・資源開発分野に強みを持っています。中国・アジア市場の開拓にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
旭有機材は、樹脂バルブ分野で高い競争力と市場シェアを有しています。半導体製造装置向けなど、高付加価値製品に強みを持つことが特徴です。水処理・資源開発分野も、今後の成長が期待できる分野です。
課題:
- 半導体市場の変動による業績への影響
- 原材料価格の高騰
3. 経営戦略と重点分野
旭有機材は、中期経営計画GNT2025において、海外市場の開拓と半導体関連製品の強化を重点戦略としています。
重点分野:
- 半導体関連製品の拡充
- 水処理・資源開発事業の拡大
- 中国・アジア市場への展開
4. 事業モデルの持続可能性
旭有機材の事業モデルは、高付加価値製品と、水処理・資源開発という成長分野への展開により、持続可能性を高めています。半導体市場の変動や、資源価格の変動といった外部環境の変化への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
旭有機材は、樹脂バルブや配管システムに関する高い技術力を有しています。
主力製品:
- 樹脂バルブ（半導体製造装置向けなど）
- 水処理設備
- フェノール樹脂製品
6. 株価の評価
- 株価: 3,940.0円（2025年3月7日終値）
- EPS（会社予想）: 383.90円
- PER（会社予想）: 10.26倍
- BPS（実績）: 3,938.35円
- PBR（実績）: 1.00倍
PERは、業界平均（20.4倍）と比較して割安な水準です。PBRは1倍台であり、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、3,860円から3,970円の間で推移しており、2025年3月7日の終値は3,940円です。年初来高値は5,480円、年初来安値は3,475円であり、現在の株価は年初来高値からは大きく下落していますが、年初来安値からは上昇しています。50日移動平均線は4,206.50円、200日移動平均線は4,348.75円であり、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は77,099百万円から87,426百万円と増加。
- 営業利益: 2024年3月期は11,948百万円から15,575百万円と増加。
- 当期純利益: 2024年3月期は9,425百万円から11,382百万円と増加。
- ROE（実績）: 17.30%
- 自己資本比率（実績）: 70.0%
過去数年、売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は向上しています。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
直近の四半期決算（2025年3月期第3四半期）
- 売上高: 63,175百万円（前年同期比△4.4%）
- 営業利益: 8,744百万円（前年同期比△29.8%）
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 6,074百万円（前年同期比△25.7%）
直近の四半期決算では、売上高、利益ともに減少しており、半導体関連の需要減や固定費の増加が影響しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.79%
- 1株配当（会社予想）: 110.00円
- 配当性向: 21.55%
安定した配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用買い残は増加、信用売り残も増加しており、様子見の状況です。
株価への影響要因:
- 半導体市場の動向
- 設備投資の動向
- 原材料価格の変動
- 為替相場
11. 総評
旭有機材は、樹脂バルブ分野で高い競争力と安定した財務基盤を持つ企業です。中期経営計画に基づき、半導体関連製品の強化や水処理・資源開発事業の拡大を進めています。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。
総合的な見解:
半導体市場の動向や、直近の四半期決算での業績悪化は注意すべき点ですが、中長期的な成長ポテンシャルは高いと考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 4216 |
| 企業名 | 旭有機材 |
| URL | http://www.asahi-yukizai.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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