1. 企業情報
- 事業内容: 都市ガス最大手。エネルギー・ソリューション（都市ガス・電力販売）が売上90%を占める。海外ガス田開発、LNGインフラ、地域冷暖房、不動産事業も展開。
- 市場区分: プライム市場・電気・ガス業
- 財務指標（2024年3月期実績）:
- 自己資本比率43.6%（安定的）
- ROE 10.44%（業界水準を上回る）
- 平均年収735万円（安定雇用）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 都市ガス販売: 市場シェア首位（東京一都三県で約60%）
- 電力事業: 電力小売自由化で拡大中（2024年3月期売上高は前年比+8.7%）
- 課題: 原油価格変動リスク、脱炭素化への投資負担増
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画: 2024年3月期を最終年度とする「中期経営計画2022」では：
- 脱炭素化投資：再生可能エネルギー拡大（2030年までに再生エネ比率を20%以上）
- 海外事業強化：オーストラリア・カタールなどでのLNGプロジェクト推進
- DX活用：顧客向けデジタルプラットフォーム構築
- 2025年3月期見通し:
- 売上高2,689億円（+0.9%）
- 営業利益1,170億円（-46.9%）※原油価格上昇影響
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益安定性: 都市ガス需要の地域独占性が基盤
- 脱炭素対応: LNGを中間燃料として活用しつつ、再生エネ比率を拡大
- 課題: 電力小売競争激化、需要減退リスク（高気温による家庭用ガス需要減少）
5. 技術革新と主力製品
- 主力製品:
- 都市ガス販売（売上90%）
- 電力販売（小売件数増で成長）
- 海外LNGプロジェクト（収益源の多角化）
- 技術動向:
- 水素供給インフラ整備
- 都市ガスのカーボンオフセット技術開発
6. 株価の評価
- 現在株価: 4,597円（2025年3月8日）
- バリュエーション:
- PER24.9倍（業界平均7倍に対し高水準）
- PBR1.04倍（自己資本比率43.6%で割安感あり）
- 配当利回り1.52%（過去5年平均2.37%に対し低水準）
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値4,883円、安値2,962円
- 直近10日間：4,587～4,817円レンジで推移
- 移動平均線:
- 50日線4,399円、200日線3,821円を上回る
- 現在はレンジ上限に接近（4,687円が直近高値）
- 信用取引:
- 買残68,700株（前週比-16,200）、売残247,200株（+50,600）
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 前年比変化率 |
|---|---|---|---|
| 売上高（億円） | 26,645 | 32,896 | -20.2% |
| 営業利益（億円） | 2,203 | 4,215 | -47.7% |
| 経常利益（億円） | 2,203 | 4,215 | -47.7% |
| 純利益（億円） | 1,699 | 2,809 | -40.0% |
| ROE | 10.44% | 13.04% | ↓ |
| 自己資本比率 | 43.6% | 46.5% | ↓ |
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 中間35円+期末35円で年間70円（予想）
- 配当性向: 31.7%（利益減少により割合上昇）
- 自社株取得: 2024年3月期に1,282万株保有（保有率3.2%）
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近トレンド:
- 2025年3月7日：前日比-1.9%で4,597円終値
- 出来高1,848,700株（過去3ヶ月平均比+17%）
- 影響要因:
- 2025年4月23日決算発表を控え、利益減益観測が株価圧迫要因
- 配当利回り低下が機関投資家流出要因
11. 総評
- 強み:
- 都市ガス需要の安定性、自己資本比率の健全性
- 海外LNGプロジェクトによる収益多角化
- リスク:
- 原油価格上昇によるコスト増加
- 電力小売競争激化による利益圧迫
- PBR1倍台で割安感あるが、PER25倍は業界高水準
- 決算前の利益減益観測で短期調整リスクあり
- 中長期視点では脱炭素投資の成果次第で再評価の可能性
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企業情報
| 銘柄コード | 9531 |
| 企業名 | 東京瓦斯 |
| URL | http://www.tokyo-gas.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電力・ガス – 電気・ガス業 |
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