1. 企業情報
事業内容
中部地域を基盤とするドラッグストアチェーン「スギ薬局」を展開。約8割の店舗が調剤薬局を併設し、地域密着型の医薬品販売・医療支援サービスを提供。
主要指標
- 時価総額：524.57億円
- 従業員数：9,444人（平均年齢52.9歳、平均年収860万円）
- 業務内容：ドラッグストア・調剤薬局事業（連結売上100%）
2. 業界のポジションと市場シェア
業界内競争優位性
- 東海地方で強固な店舗網を構築（中部地域シェア上位）
- 調剤併設店比率80%で差別化（他社平均50%程度）
課題
- 地域依存リスク（中部地方に過度に依存）
- 高齢化社会での医療需要増に対応する必要性
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画の特徴
- 2024年3月実施の株式分割（1株→3株）で流動性向上
- 調剤薬局の拡充と在宅医療支援サービスの強化
戦略的施策
- 地域医療連携強化（電子処方箋システム導入）
- コスト削減（店舗効率化・人材育成投資）
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル
- 調剤事業が利益の柱（医療費増加傾向を背景に安定需要）
- コスト管理が課題（営業利益率3.83%と低水準）
市場適応力
- 在宅医療需要増に対応した「訪問薬局サービス」拡大
- オンライン処方箋受付システムの導入
5. 技術革新と主力製品
技術動向
- 電子処方箋システム（EHR連携）の導入拡大
- AIを活用した在庫管理システムの開発
主力サービス
- 調剤併設店による「一貫医療サポート」
- 地域密着型の「健康相談窓口」
6. 株価の評価
バリュエーション指標
- PER（予想）：19.59倍（業界平均21.3倍に対し割安）
- PBR（実績）：2.04倍（業界平均1.8倍を上回る）
- EPS（予想）：140.91円（株価2,761円に対し妥当水準）
- BPS（実績）：1,350.70円（株価の203%を上回る）
7. テクニカル分析
株価動向
- 年初来高値2,854円から調整局面（3月7日終値2,761円）
- 50日移動平均線（2,614円）を上回る水準
- 信用倍率0.58倍（売り圧力が緩和傾向）
8. 財務諸表分析
主要指標
| 指標 | 過去12か月 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|
| 売上高（億円） | 7,917.22 | 7,444.77 | 6,676.47 |
| 営業利益率 | 3.83% | 3.63% | 3.18% |
| ROE | 9.77% | 9.3% | 8.9% |
| 自己資本比率 | 59.8% | 60.2% | 59.5% |
傾向
- 売上は年率5%程度の成長継続
- 営業利益率は横ばい（コスト増加圧力）
9. 株主還元
配当政策
- 配当利回り：1.27%（予想配当35円）
- 配当性向：20.68%（利益の2割を還元）
- 自己株買い：累計9,026,600株を取得
10. 株価モメンタム
直近動向
- 2025年2月27日：除権後は調整局面入り
- 3月5日高値2,854円（年初来高値更新）から1.9%下落
影響要因
- 調剤薬局業界の競争激化
- 原料薬価格の上昇圧力
11. 総評
強み
- 地域密着型ビジネスモデルの安定性
- 高配当利回り（1.27%）と財務健全性
課題
- 営業利益率改善の必要性
- 地域依存リスクの分散
- PER19.6倍で業界平均を下回る水準
- 在宅医療需要増加が成長ドライバー
- 2025年4月の決算内容が株価のカギ
企業情報
| 銘柄コード | 7649 |
| 企業名 | スギホールディングス |
| URL | https://www.sugi-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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