1. 企業情報
- 事業内容: Nissha Co., Ltd.は、印刷技術を基盤に、産業資材、デバイス、メディカルテクノロジー、医薬・化粧品分野を展開する企業です。主力事業は、加飾フィルムなどの産業資材、タッチセンサーなどのデバイス、医療機器です。
- 特徴: 祖業の印刷技術を活かしつつ、事業ポートフォリオを多角化し、特に成長が見込まれるメディカルテクノロジー分野に注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 各事業分野において、独自の技術力と多様な製品ラインナップを強みとしています。特に産業資材分野では、加飾技術で一定のシェアを占めていると考えられます。
- 競争優位性: 高度な印刷技術を基盤とした製品開発力、多角的な事業展開によるリスク分散、医療分野への注力による成長性などが競争優位性として挙げられます。
- 課題: グローバルな経済状況や、原材料価格の変動、競合他社の動向などが事業に影響を与える可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 第8次中期経営計画を策定し、安定的な成長と資本効率性の向上を目指しています。事業ポートフォリオの強化を通じて、利益率の向上と安定化を図る方針です。
- 中期経営計画:
- 事業ポートフォリオの強化（産業資材、デバイス、メディカルテクノロジーの各分野での成長戦略）
- 利益率の向上と安定化
- 資本効率の向上
- 重点分野: メディカルテクノロジー分野への注力、サステナブル資材の開発、デバイス事業の拡大などが重点分野として挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 各事業分野において、顧客ニーズに応じた製品・サービスを提供し、安定的な収益を確保するモデルです。
- 市場ニーズへの適応力: 産業資材分野では、モビリティや家電分野の需要に対応し、デバイス分野ではタブレットや業務用端末向けの需要を取り込むなど、市場ニーズの変化に対応しています。メディカルテクノロジー分野では、医療機器CDMOの拡大を図っています。
- 持続可能性への取り組み: サステナブル資材の開発など、環境に配慮した製品開発も行っています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 印刷技術を基盤に、加飾技術、タッチセンサー技術、医療機器関連技術などの開発を進めています。
- 主力製品:
- 産業資材：加飾フィルム、サステナブル資材
- デバイス：タッチセンサー、力覚センサー
- メディカルテクノロジー：医療機器CDMO、医療用消耗品
- 収益を牽引している製品: 2024年12月期の決算では、産業資材、デバイス、メディカルテクノロジーの各事業が収益に貢献しています。
6. 株価の評価
- PER: 17.67倍（会社予想）
- PBR: 0.62倍（実績）
- EPS: 83.78円（会社予想）
- BPS: 2,391.31円（実績）
- 業界平均との比較: 業界平均PERは14.5倍であり、NisshaのPERはやや割高です。一方、PBRは業界平均1.3倍を下回っており、割安感があります。
- 株価の妥当性: EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安と判断できます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、1,368円から1,485円の範囲で推移しており、上昇傾向にあります。
- 高値・安値: 年初来高値は2,185円、年初来安値は1,368円です。
- 移動平均線: 50日移動平均線は1,563.10円、200日移動平均線は1,791.43円であり、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
- 判断: 株価は年初来安値から上昇していますが、50日、200日移動平均線を下回っているため、まだ上昇トレンドが確立したとは言えません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月の売上高は195,598百万円で、前期比16.6%増と大きく増加しています。
- 利益: 営業利益は5,486百万円（前期は営業損失）、純利益は3,862百万円（前期は純損失）と、黒字転換しています。
- キャッシュフロー: 営業CFは12,312百万円、投資CFは-11,431百万円、財務CFは9,147百万円です。
- ROE: 3.56%（過去12か月）
- ROA: 1.55%（過去12か月）
- 自己資本比率: 45.5%
- 分析: 売上高、利益ともに改善しており、財務体質も安定しています。ROE、ROAは改善の余地があります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.38%（会社予想）
- 1株配当: 50.00円（会社予想）
- 配当性向: 62.38%
- 株主還元策: 配当を重視する方針です。
- 分析: 安定した配当を実施しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強まっています。
- 株価への影響要因:
- 業績の回復と成長
- メディカルテクノロジー分野への期待
- 配当利回り
- 世界経済の動向
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
Nisshaは、印刷技術を基盤に多角的な事業展開を進め、業績を回復基調にあります。特に、メディカルテクノロジー分野への注力は、今後の成長を牽引する可能性があります。財務状況も安定しており、株主還元にも積極的です。株価は割安感があり、テクニカル的にも上昇の兆しが見られます。ただし、世界経済の動向や競合他社の動向など、注意すべき点もあります。
企業情報
| 銘柄コード | 7915 |
| 企業名 | NISSHA |
| URL | http://www.nissha.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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