1. 企業情報
コロナは、石油暖房機器（ファンヒーター、ポータブルストーブなど）を主力とする企業です。空調機器、温水機器、ヒートポンプ式給湯器「エコキュート」も展開しており、住宅関連機器の分野で事業を展開しています。好財務体質も特徴です。
2. 業界のポジションと市場シェア
石油暖房機器市場において、コロナは最大手の地位を確立しています。住宅設備機器市場においても一定のシェアを有しています。
競争優位性: 石油暖房機器における長年の実績とブランド力、高い財務健全性が強みです。
課題: 暖房機器市場は、季節変動の影響を受けやすく、競合他社との競争も激しいです。また、省エネ志向の高まりや、代替エネルギーの普及も、事業環境に影響を与える可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 第9次中期経営計画に基づき、「ヒートポンプ/電化事業の拡大」「『楽』から『楽しい』への事業領域拡大」「業務合理化による高コスト体質からの脱却」を掲げています。
中期経営計画の重点分野:
- ヒートポンプ/電化事業の拡大（エコキュートなど）
- 「楽」から「楽しい」への事業領域拡大
- 業務合理化による高コスト体質からの脱却
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル: 石油暖房機器を主力とし、空調機器、住宅設備機器も展開することで、季節変動リスクを分散しています。
市場ニーズの変化への適応力: 省エネ性能の高い製品の開発や、エコキュートなどの電化製品への注力は、市場ニーズの変化に対応するための取り組みと考えられます。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 省エネ性能の向上、IoT技術の活用など、技術革新への取り組みが期待されます。
主力製品: 石油ファンヒーター、ポータブルストーブ、エコキュートなど。
6. 株価の評価
- 株価: 962.0円（2025年3月10日）
- EPS（会社予想）: 41.10円
- PER（会社予想）: 23.45倍
- BPS（実績）: 2,616.08円
- PBR（実績）: 0.37倍
PERは業界平均（11.3倍）と比較して割高ですが、PBRは業界平均（0.5倍）を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、944円から976円の間で推移しており、962円で取引されています。年初来高値1,001円に近づいており、高値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去5年間で、800億円台で安定的に推移しています。
利益: 2024年3月期は、売上高は減少したものの、営業利益、経常利益、当期純利益は増加しています。
キャッシュフロー: 詳細なデータは不足していますが、良好な財務体質を示唆しています。
ROE（実績）: 1.76%
ROA（過去12か月）: 0.72%
自己資本比率（実績）: 72.8%と非常に高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.90%
- 1株配当（会社予想）: 28.00円
- 配当性向: 57.06%
安定的な配当を実施しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや上昇傾向にあります。信用買い残は減少傾向、信用売り残は増加傾向にあり、需給状況はやや悪化しています。
株価への影響要因:
- 暖房機器の販売動向（寒波の影響など）
- 原材料価格の変動
- エコキュートなど、電化製品の販売動向
- 政府の住宅関連政策
11. 総評
コロナは、石油暖房機器市場で高いシェアを持つ安定企業です。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。一方、暖房機器市場の季節変動リスクや、競合との競争激化、代替エネルギーの普及といった課題も存在します。
現在の株価は、PERは割高ですが、PBRは割安であり、テクニカル的には高値圏にあります。今後の業績動向、特にエコキュートなどの電化製品の販売状況や、コスト管理能力に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5909 |
| 企業名 | コロナ |
| URL | http://www.corona.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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