1. 企業情報
エンカレッジ・テクノロジは、情報セキュリティに特化したソフトウェア開発・販売・保守サービスを提供する企業です。特に、企業のシステム運用におけるセキュリティ管理、内部統制を支援する製品群（ESSシリーズ）に強みを持っています。金融機関など、セキュリティレベルの高い顧客を多く抱えています。事業は、ライセンス販売、保守サポート、クラウドサービス、コンサルティングなど多岐にわたります。
2. 業界のポジションと市場シェア
情報セキュリティ市場において、エンカレッジ・テクノロジは、特定の分野に特化したニッチなプレーヤーとしての地位を確立しています。特に、システム証跡管理や特権ID管理といった分野で、大手企業を中心に顧客を獲得しています。競合他社との差別化として、製品の専門性と、顧客ニーズに合わせた柔軟な対応が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
エンカレッジ・テクノロジは、2030年に向けた長期ビジョン「VISION2030」を掲げ、第1次中期経営計画（2025年3月期～2027年3月期）を策定しています。サイバー攻撃の脅威が増大する中、セキュリティ対策への需要は高まっており、同社は、既存製品の強化に加え、クラウドサービスの拡充、新たなソリューションの開発に注力していくものと推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
エンカレッジ・テクノロジの収益モデルは、ライセンス販売と保守サポートサービスを組み合わせたストック型ビジネスが中心です。このモデルは、安定的な収益基盤を築きやすく、顧客との長期的な関係を構築しやすいという利点があります。市場ニーズの変化に対しては、クラウドサービスの拡充や、新たなセキュリティ脅威に対応した製品開発を通じて、適応力を高めていくことが重要です。
5. 技術革新と主力製品
エンカレッジ・テクノロジは、システム証跡管理ソフト「ESS REC」、特権ID管理ソフト「ESS AdminGate」など、企業の内部統制を強化するための製品群（ESSシリーズ）を主力としています。これらの製品は、企業のセキュリティリスクを低減し、コンプライアンス遵守を支援する上で重要な役割を果たしています。技術革新としては、クラウド技術の活用や、AIを活用したセキュリティ対策などが期待されます。
6. 株価の評価
- 株価: 615.0円
- EPS（会社予想）: 36.03円
- PER（会社予想）: 17.07倍（業界平均PER: 17.6倍）
- BPS（実績）: 514.39円
- PBR（実績）: 1.20倍（業界平均PBR: 1.6倍）
PERは業界平均を下回っており、PBRも業界平均を下回っています。EPS、BPSから見て、割安感があると言えるかもしれません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、600円前後で推移しており、52週高値（675円）からは下落、52週安値（500円）からは上昇しています。50日移動平均線（599.62円）と200日移動平均線（602.66円）を上回っており、短期的には上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間、緩やかな成長を続けています。2024年3月期は2,120百万円、2025年3月期（予想）は2,498百万円と増収傾向です。
- 営業利益: 2021年以降、改善傾向にあり、2024年3月期は243百万円、2025年3月期（予想）は318百万円と増益です。
- ROE（実績）: 6.44%
- 自己資本比率（実績）: 70.2%
財務体質は良好で、自己資本比率も高く、安定した経営基盤を持っています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.25%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 配当性向: 66.73%
- 株主優待: なし
- 自社株買い: 過去の実施状況は不明
配当利回りは、まずまずの水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、小幅な変動を繰り返しており、方向感は定まっていません。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心は高まっている可能性があります。株価への影響要因としては、業績の動向、セキュリティ市場の成長性、競合他社の動向などが挙げられます。
11. 総評
エンカレッジ・テクノロジは、情報セキュリティ分野におけるニッチトップ企業であり、安定した収益基盤と良好な財務体質を持っています。株価は、割安感があり、テクニカル的にも底堅い動きを見せています。今後の成長戦略として、クラウドサービスの拡充や、新たなセキュリティソリューションの開発が期待されます。
ただし、情報セキュリティ市場の競争激化や、景気変動による業績への影響には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3682 |
| 企業名 | エンカレッジ・テクノロジ |
| URL | http://www.et-x.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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