1. 企業情報
タカノは、オフィスチェアなどのオフィス家具、スプリング、エクステリア製品、電子関連製品、健康・福祉機器を製造・販売する企業です。事務用いすのOEM供給と液晶製造装置向けの検査機器が2本柱です。産業機器向けの駆動部品なども手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
タカノは、オフィス家具、スプリング、検査計測機器など多岐にわたる分野で事業を展開しています。それぞれの分野における市場シェアの詳細は不明ですが、事務用いすのOEM供給や検査計測機器においては一定の地位を築いていると考えられます。
競争優位性:
- 多角的な事業展開によるリスク分散
- 特定の分野における技術力（例：検査計測機器）
課題:
- 景気変動の影響を受けやすい事業構造
- 競合他社との差別化
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン:
詳細な経営ビジョンは公開情報から特定できませんでしたが、決算短信からは、各事業分野における成長戦略が読み取れます。
中期経営計画:
中期経営計画に関する情報は公開されていません。
重点分野:
- 住生活関連機器: 働き方の変化に対応したオフィス家具の開発・生産
- 検査計測機器: 半導体関連検査装置や電池部材向け検査装置の開発・販売
- 産業機器: 半導体関連向け電磁アクチュエータの販売拡大
- エクステリア: 集客施設向けオーニング等の受注獲得、大阪・関西万博関連施設向け需要の取り込み
- 機械・工具: 新規顧客の開拓および既存顧客の需要掘り起こし
4. 事業モデルの持続可能性
タカノの事業モデルは、オフィス家具、検査計測機器、産業機器など、幅広い分野にわたるため、特定の市場変動による影響を分散できる可能性があります。しかし、景気変動や技術革新の影響を受けやすく、市場ニーズの変化への迅速な対応が求められます。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向:
- 検査計測機器分野における技術開発（半導体関連、電池部材向け）
- 産業機器分野における電磁アクチュエータ関連技術
主力製品:
- 事務用いす（OEM供給）
- 液晶製造装置向け検査機器
- 電磁アクチュエータ
6. 株価の評価
- 株価: 731.0円（2025年3月10日終値）
- EPS（会社予想）: 36.13円
- PER（会社予想）: 20.23倍
- BPS（実績）: 2,061.46円
- PBR（実績）: 0.35倍
PERは20.23倍であり、業界平均PERの10.0と比較すると割高感があります。PBRは0.35倍であり、業界平均PBRの0.5を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、712円から731円の範囲で推移しており、緩やかな上昇傾向が見られます。年初来安値（684円）からは上昇していますが、年初来高値（1,135円）からは大きく下落しています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は230億円、2025年3月期は251億円と増収傾向です。
- 2025年3月期第3四半期累計では、158億円と前年同期比で減収となっています。
利益:
- 営業利益は、2021年はマイナスでしたが、2022年以降はプラスに転じています。
- 2025年3月期第3四半期累計では、営業損失2.3億円と赤字に転落しています。
- 経常利益、当期純利益も同様の傾向です。
キャッシュフロー:
キャッシュフローに関する情報は、詳細な分析に必要なデータが不足しています。
ROE:
- 2024年3月期のROEは1.93%と低い水準です。
ROA:
- 過去12ヶ月のROAは0.73%です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.74%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 配当性向: 131.84% (2025年3月期予想)
配当利回りは平均的ですが、配当性向は100%を超えており、利益水準によっては減配のリスクがあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は、小幅な上昇傾向にあります。
- 信用倍率は77.50倍と高く、買われ過ぎの可能性があります。
- 出来高は低調で、投資家の関心はそれほど高くないと考えられます。
- 2025年3月28日が配当落ち日です。
- 2025年5月8日から12日に決算発表が予定されています。
11. 総評
タカノは、オフィス家具、検査計測機器、産業機器など多角的な事業を展開しており、安定した収益基盤を築いています。しかし、2025年3月期第3四半期累計では減収減益となっており、今後の業績回復が課題です。
株価は、PER、PBRの指標からは、割安感がある一方、業績の悪化から、今後の株価動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 7885 |
| 企業名 | タカノ |
| URL | http://www.takano-net.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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