1. 企業情報
テクノ菱和は、三菱重工業系の空調工事会社です。主な事業は、工場やビルなどの環境制御システムの設計、施工、メンテナンスです。特に医薬品工場向けの設備に強みを持っています。冷熱機器の販売も手掛けており、東南アジアへの展開も加速しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
テクノ菱和は、空調工事業界の中堅企業であり、三菱重工との関係性を強みとしています。医薬品工場向け設備というニッチな分野での実績も競争優位性の一つです。建設業界全体としては、人手不足や資材価格の高騰といった課題に直面しており、テクノ菱和もこれらの影響を受ける可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中長期経営ビジョン「TECHNO RYOWA 2032」と「中期3か年事業計画」を掲げ、バランスの取れた受注活動、人的資本への投資、DXの推進、ESG経営の実践などを重点分野としています。
4. 事業モデルの持続可能性
テクノ菱和の収益モデルは、設備工事とメンテナンスを組み合わせたものであり、安定した収益基盤を築いています。医薬品工場向けの強みは、高い参入障壁となり、持続的な成長を支える要因となる可能性があります。市場ニーズの変化に対しては、DX推進による効率化や、東南アジアへの展開による市場開拓で対応していくものと推測されます。
5. 技術革新と主力製品
テクノ菱和は、環境制御システムの設計・施工・メンテナンスを通じて、顧客のニーズに応えています。具体的な技術革新に関する情報は開示されていませんが、省エネルギー化や環境負荷低減といった分野での技術開発が重要と考えられます。主力製品は、医薬品工場向けのクリーンルームや空調システムなどです。
6. 株価の評価
- PER(会社予想): 8.23倍
- PBR(実績): 1.13倍
- EPS(会社予想): 331.28円
- BPS(実績): 2,407.90円
PERは、業界平均の11.3倍を下回っており、割安感があります。PBRは1倍を超えており、純資産に対してある程度の評価を受けていると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月11日の終値は2,730円であり、年初来高値3,480円からは下落していますが、年初来安値1,158円からは大きく上昇しています。50日移動平均線(2,849.50円)を下回っており、短期的な調整局面にある可能性があります。
8. 財務諸表分析
指標 | 過去12か月 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
---|---|---|---|---|---|
売上高(百万円) | 73,687 | 73,687 | 61,029 | 56,904 | 54,871 |
営業利益(百万円) | 5,795 | 5,795 | 3,179 | 3,019 | 1,715 |
経常利益(百万円) | 6,490 | 6,490 | 3,548 | 3,367 | 2,038 |
当期純利益(百万円) | 4,506 | 4,506 | 2,339 | 2,237 | 1,234 |
ROE | 12.79% | – | – | – | – |
ROA | 7.20% | – | – | – | – |
売上高は、過去5年間で増加傾向にあり、特に2024年3月期は大幅な増収となっています。営業利益、経常利益、当期純利益も同様に増加傾向にあり、収益性の向上が見られます。ROEとROAも高い水準にあり、効率的な経営が行われていると考えられます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.67%
- 1株配当(会社予想): 100.00円
- 配当性向: 35.28%
配当利回りは、魅力的な水準です。配当性向も適正な範囲内であり、安定した株主還元が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年3月10日に2,834円まで上昇した後、2025年3月11日には2,730円まで下落しており、調整局面にあると考えられます。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心は高い状態です。
11. 総評
テクノ菱和は、三菱重工との連携を強みとし、医薬品工場向けの設備に強みを持つ空調工事会社です。業績は好調に推移しており、財務状況も良好です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、建設業界特有の人手不足や資材価格の高騰といったリスク要因には注意が必要です。今後の成長戦略として、DX推進や東南アジアへの展開が注目されます。
企業情報
銘柄コード | 1965 |
企業名 | テクノ菱和 |
URL | http://www.techno-ryowa.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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