1. 企業情報
プリマハムは、ハム・ソーセージを中心とした加工食品、食肉の製造・販売を行う大手食品メーカーです。伊藤忠商事の傘下にあり、加工食品と惣菜に注力しています。ウインナーが主力製品で、滝沢ハムとの提携も行っています。業界内では3位のポジションを占め、家庭用製品に強みを持っています。セブンイレブン向けの惣菜も手掛けており、食肉分野では養豚事業を強化しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
プリマハムは、国内の食肉・加工食品業界において、大手の一角を占めています。業界3位というポジションは、競争の激しい市場において一定の優位性を示しています。しかし、原材料価格の高騰や、競合他社との差別化、消費者の嗜好の変化への対応など、様々な課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
プリマハムは、中期経営計画において「持続可能な経営基盤の強化」「外部環境の変化に対応した収益基盤の構築」「成長投資とグローバル展開」を基本方針としています。具体的には、加工食品事業におけるハム・ソーセージの販売促進、加工食品の拡販、コンビニエンスストア向けベンダー事業の改善、食肉事業における畜種の産地見直し等によるコスト管理などが重点分野として挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
プリマハムの収益モデルは、加工食品と食肉の製造・販売を軸としています。安定した需要が見込める分野ではありますが、原材料価格の変動や、消費者の健康志向の高まりなど、市場ニーズの変化への対応が重要となります。効率的な生産体制の構築、新商品の開発、販路の拡大などが、持続的な成長を支える鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
プリマハムは、ハム・ソーセージなどの加工食品の製造技術において、長年の経験とノウハウを蓄積しています。主力製品であるウインナーは、同社の収益を牽引する重要な製品です。また、セブンイレブン向けの惣菜など、コンビニエンスストアとの連携も強化しており、市場ニーズに合わせた製品開発を進めています。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 2,214.0円 |
| PER（会社予想） | 13.91倍 |
| PBR（実績） | 0.92倍 |
| EPS（会社予想） | 159.18 |
| BPS（実績） | 2,396.99 |
| 配当利回り | 3.61% |
現在の株価は、EPS、BPSから見て割安感があると言えます。PERは業界平均を下回っており、PBRも1倍を割っています。配当利回りも3%を超えており、株主還元にも積極的な姿勢が見られます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2月26日以降は2100円台後半から2200円台前半で推移しており、200日移動平均線（2268.57）を下回っています。年初来高値（2560円）からは下落していますが、年初来安値（2024円）からは上昇しています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12か月 | 3/31/2024 | 3/31/2023 | 3/31/2022 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高（百万円） | 456,147 | 448,429 | 430,740 | 420,717 |
| 営業利益（百万円） | 9,703 | 11,820 | 9,725 | 14,037 |
| 経常利益（百万円） | 13,109 | 13,427 | 5,900 | 15,106 |
| 当期純利益（百万円） | 7,165 | 7,489 | 4,505 | 9,718 |
| ROE | 6.44% | – | – | – |
| ROA | 2.39% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 48.7% | – | – | – |
過去数年間の財務状況を見ると、売上高は増加傾向にありますが、利益面では変動が見られます。2024年3月期は、原材料価格の高騰により、営業利益、経常利益、当期純利益が減少しています。ROE、ROAは、同業他社と比較して評価する必要があります。自己資本比率は48.7%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 3.61% |
| 1株配当（会社予想） | 80.00円 |
| 配当性向 | 59.62% |
プリマハムは、株主還元として配当を実施しています。配当利回りは3.61%と、一定の魅力があります。配当性向は59.62%であり、利益水準に応じて配当額を決定する方針と推測されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや低調な推移を見せています。信用買い残は多く、信用倍率は24倍を超えています。これは、今後の株価上昇を期待する投資家が多いことを示唆していますが、一方で、株価が下落した場合の売り圧力も高まる可能性があります。株価への影響要因としては、原材料価格の変動、消費者の動向、競合他社の動向などが挙げられます。
11. 総評
プリマハムは、国内の食肉・加工食品市場において、安定した基盤を持つ企業です。加工食品、特にウインナーは主力製品であり、コンビニエンスストアとの連携も強化しています。しかし、原材料価格の高騰や、消費者の嗜好の変化など、外部環境の変化に対応していく必要があります。財務面では、売上高は増加傾向にあるものの、利益面では変動が見られます。株価は、割安感があり、配当利回りも魅力的な水準です。今後の業績動向、経営戦略の進捗、外部環境の変化などを注視しながら、投資判断を行うことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 2281 |
| 企業名 | プリマハム |
| URL | http://www.primaham.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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