1. 企業情報
企業名: 杏林製薬株式会社
概要: 杏林製薬は、日本および国際的に医療用医薬品やジェネリック医薬品の研究開発、製造、販売を行っています。主力製品には、ぜんそく治療薬のフルチフォーム、咳治療薬のライフナ、抗アレルギー剤のデザレックスなどがあります。その他、消毒剤や診断薬なども提供しています。1923年に設立され、東京に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
杏林製薬は、国内の医療用医薬品業界において中堅企業として位置付けられています。業界は薬価改定や医療費抑制策により厳しい環境にありますが、杏林製薬は新薬の普及と後発医薬品の提供を通じて競争力を維持しています。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「Vision 110 -Stage 1-」を掲げ、創薬の変革、パイプラインの拡充、新薬の普及最大化、コスト競争力の向上に注力しています。特に、創薬における変革とパイプラインの拡充が重要な戦略とされています。
4. 事業モデルの持続可能性
杏林製薬は、新薬とジェネリック医薬品の両方を提供することで、収益の多様化を図っています。市場ニーズの変化に対応するため、研究開発への投資を継続し、新規治療薬候補化合物に関するライセンス契約を締結するなど、将来の成長を見据えた取り組みを行っています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発では、リアルタイムPCRシステム「GeneSoC」などの革新的な製品を提供しています。収益を牽引している主力製品には、ぜんそく治療薬や抗アレルギー薬が含まれます。
6. 株価の評価
- EPS(会社予想): 87.03円
- BPS(実績): 2,264.15円
- PER(会社予想): 18.52倍
- PBR(実績): 0.71倍
業界平均PER(27.8倍)およびPBR(1.4倍)と比較すると、杏林製薬の株価は割安感があります。
7. テクニカル分析
株価は直近で上昇しており、現在の株価(1,612円)は年初来高値(1,880円)に近づいていますが、まだ高値圏には達していません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 増加傾向にあり、2025年3月期第3四半期の売上高は前年同期比2.3%増。
- 営業利益: 減少傾向にあり、前年同期比35.1%減。
- ROE(実績): 4.15%
- 自己資本比率(実績): 73.6%
売上は増加しているものの、利益率の低下が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 3.23%
- 1株配当(会社予想): 52.00円
- 配当性向: 63.70%
安定した配当を維持しており、株主還元に積極的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は短期的に上昇傾向にあり、信用買残の増加が見られます。投資家の関心が高まっていることが示唆されます。
11. 総評
杏林製薬は、新薬とジェネリック医薬品の提供を通じて安定した収益基盤を築いています。中期経営計画に基づく戦略的な取り組みにより、将来的な成長が期待されます。株価は業界平均と比較して割安感があり、安定した配当を提供していることから、投資家にとって魅力的な選択肢となる可能性があります。ただし、利益率の低下や市場環境の変化には注意が必要です。
企業情報
銘柄コード | 4569 |
企業名 | 杏林製薬 |
URL | https://www.kyorin-pharm.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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