企業概要
ダイニック株式会社は、日本の繊維製品メーカーで、1919年に設立されました。本社は京都にあり、主に印刷情報関連、住生活環境関連、包材関連の製品を製造・販売しています。製品は書籍装丁用クロス、不燃布、インテリア、情報関連、自動車内装材、不織布など多岐にわたります。
事業内容
- 連結事業: 印刷情報関連45%、住生活環境関連33%、包材関連17%、他5%
- 海外事業: 24%（2024年3月期）
業界内での競争優位性や課題
ダイニックは、多角化された事業ポートフォリオにより、業界内での競争優位性を維持しています。特に印刷情報関連事業が強みとなっており、海外市場からの需要も高まっています。一方で、住生活環境関連事業は市場の低迷により課題を抱えています。
経営陣が掲げるビジョンや戦略
ダイニックは「中期経営計画SOLID FOUNDATION2026」を掲げ、第2期目の達成に向けて取り組んでいます。特に印刷情報関連事業の強化と海外市場への拡大が重点となっています。
中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- 印刷情報関連事業の強化
- 海外市場への拡大
- コスト削減と採算性の改善
収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
ダイニックの事業モデルは多角化されており、市場ニーズの変化に柔軟に対応できる構造になっています。特に印刷情報関連事業は、デジタル化の波に乗り、持続可能な成長が見込まれます。
技術開発の動向や独自性
ダイニックは基材・製膜技術を軸に技術革新を推進しています。特に情報関連製品や自動車内装材の技術力が強みです。
収益を牽引している製品やサービス
印刷情報関連製品、特に書籍装丁用クロスや不燃布、自動車内装材が主力製品となっています。
EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- EPS（会社予想）: 167.35円
- BPS（実績）: 3,070.78円
- PER（会社予想）: 4.71倍
現在の株価（788円）に対するPERは4.71倍と、業界平均PER（12.6倍）より低い水準となっています。
株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は、786円から805円の間で推移しており、50日移動平均（766.76円）と200日移動平均（768.53円）を上回る水準で推移しています。現在の株価は高値圏に位置しています。
売上、利益、キャッシュフロー、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高（過去12か月）: 435.9億円
- 利益率（過去12か月）: 3.28%
- 営業利益率（過去12か月）: 6.57%
- ROE（過去12か月）: 5.56%
- ROA（過去12か月）: 2.08%
過去数年で売上高と利益率は安定しており、ROEとROAも健全な水準を維持しています。
配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り（会社予想）: 3.81%
- 配当性向: 18.17%
- 年間配当予想: 30.00円
安定した配当性向と高配当利回りにより、株主還元は積極的に行われています。
自社株買いなどの株主還元策
自社株買いは行われていません。
株価の直近の変動傾向（上昇・下降の勢い）
直近10日間の株価は上昇傾向にあり、特に3月10日以降上昇が顕著です。
株価への影響を与える要因
原材料・燃料価格の高止まり、地政学リスク、関税政策の影響などが主要なリスク要因となっています。
11. 総評
ダイニック株式会社は、多角化された事業ポートフォリオにより、業界内での競争優位性を維持しています。特に印刷情報関連事業が強みとなっており、海外市場からの需要も高まっています。経営戦略は海外市場への拡大とコスト削減に焦点を当てており、技術革新により持続可能な成長が見込まれます。株価は高値圏に位置しており、安定した配当性向と高配当利回りにより、株主還元は積極的に行われています。しかし、原材料・燃料価格の高止まり、地政学リスク、関税政策の影響などのリスク要因に注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3551 |
| 企業名 | ダイニック |
| URL | http://www.dynic.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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