企業分析：東京衡機（7719）

1. 企業情報

• 事業内容: 材料試験機（金属などの強度や耐久性を測る機械）の製造・販売を主力とする。緩み止めナットなどの製品も手掛ける。試験機メーカーからエンジニアリング事業にも展開。
• 特徴: 材料試験機分野の専門メーカー。不祥事によるガバナンス再構築中。
• セグメント: 試験機事業、エンジニアリング事業

2. 業界のポジションと市場シェア

• 業界: 精密機器業界、特に材料試験機分野。
• 競争優位性: 試験機分野における専門性と技術力。
• 課題: 不祥事による信頼回復、エンジニアリング事業の成長。

3. 経営戦略と重点分野

• 経営ビジョン: 中期経営計画に基づき、事業拡大のためのプラットフォーム作りを推進。
• 重点分野:
  • 試験機事業：業界トップレベルの品揃えを強みに、デジタル化推進による業務効率化。
  • エンジニアリング事業：ゆるみ止め製品の販売強化。

4. 事業モデルの持続可能性

• 収益モデル: 材料試験機の販売、メンテナンス、エンジニアリング事業。
• 市場ニーズへの適応: 試験機のデジタル化、エンジニアリング事業の強化による市場ニーズへの対応。
• リスク: 景気変動による設備投資の減少、競合他社の台頭。

5. 技術革新と主力製品

• 技術開発: 試験機の性能向上、デジタル化への対応。
• 主力製品: 材料試験機、緩み止めナットなどのエンジニアリング製品。

6. 株価の評価

• 株価: 181.0円（2025年3月14日終値）
• PER（会社予想）: 23.91倍
• PBR（実績）: 0.89倍
• EPS（会社予想）: 7.57円
• BPS（実績）: 203.76円
• 業界平均PER: 17.5
• 業界平均PBR: 1.1
  • PERは業界平均より高く、割高感がある。
  • PBRは業界平均より低く、割安感がある。

7. テクニカル分析

• 株価推移:
  • 年初来高値: 321円
  • 年初来安値: 162円
  • 直近10日間の株価は178円～186円で推移。
  • 50日移動平均線: 180.18円
  • 200日移動平均線: 195.18円
  • 直近の株価は50日移動平均線を上回っているが、200日移動平均線を下回っている。
  • 52週安値近辺で推移している。

8. 財務諸表分析

• 売上高: 2024年2月期は3,365百万円、2025年2月期第3四半期累計は2,137百万円（前年同期比10.1%減）。
• 営業利益: 2024年2月期は132百万円、2025年2月期第3四半期累計は-105百万円。
• 当期純利益: 2024年2月期は91百万円、2025年2月期第3四半期累計は-55百万円。
• ROE: 2024年2月期は6.17%。
• 自己資本比率: 41.2%（2024年2月期）、42.8%（2025年2月期第3四半期）。
• キャッシュフロー: 不明。
• 過去の傾向: 売上高は減少傾向、利益は変動が大きい。

9. 株主還元と配当方針

• 配当利回り: 0.00%（会社予想）
• 1株配当: 0.00円（会社予想）
• 配当性向: 0.00%
• 株主還元策: 現時点では配当は実施していない。

10. 株価モメンタムと投資家関心

• 株価モメンタム: 直近の株価は低迷しており、上昇の勢いは弱い。
• 株価への影響: 業績の回復、不祥事からの脱却、新製品の開発などが株価に影響を与える可能性がある。
• 信用取引: 信用買残218,300株、信用倍率0.00倍。

11. 総評

東京衡機は、材料試験機分野の専門メーカーであり、技術力に強みを持つ。しかし、業績は不安定で、不祥事による影響も懸念される。株価は低迷しており、PERは割高、PBRは割安となっている。配当は実施しておらず、株主還元は低い。今後の業績回復、ガバナンス強化、エンジニアリング事業の成長などが注目される。投資判断には、業績の推移、経営戦略の進捗、市場動向などを総合的に考慮する必要がある。

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