1. 企業情報
大田花きは、花き卸売市場の最大手企業です。東京都中央卸売市場花き部の運営を主な事業としています。近年は、在宅競りやロジスティクスの強化にも注力しています。2024年3月期の事業別売上構成比は、キク類20%、洋ラン・バラ・葉物20%、球根類17%、草花類26%、枝物12%、鉢物3%、買付品1%、その他1%となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
大田花きは、国内最大の花き卸売市場を運営しており、業界内でのリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。競争優位性としては、豊富な品揃えと流通ネットワークが挙げられます。課題としては、個人消費の低迷や、花きの生育状況による価格変動の影響を受けやすい点が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、在宅競りの導入やロジスティクスの効率化を通じて、事業の拡大を目指しています。具体的な中期経営計画に関する情報は開示されていませんが、花き市場のデジタル化や、地方市場との連携強化などが重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
大田花きの収益モデルは、花きの卸売販売が中心であり、市場ニーズに大きく依存します。近年は、個人消費の低迷や、環境変動による花きの生育への影響など、外部環境の変化に対応していく必要があります。在宅競りやロジスティクスの効率化は、事業モデルの持続可能性を高めるための取り組みと言えます。
5. 技術革新と主力製品
大田花きは、具体的な技術革新に関する情報は限られています。主力製品は、花き全般であり、キク類、洋ラン、バラ、葉物、球根類、草花類など多岐にわたります。
6. 株価の評価
- 株価: 746.0円（2025年3月14日終値）
- PER（会社予想）: 18.70倍（業界平均10.1倍）
- PBR（実績）: 0.74倍（業界平均0.7倍）
- EPS（会社予想）: 39.90円
- BPS（実績）: 1,010.31円
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均と同程度であり、割安感はありません。EPSとBPSから、現在の株価は割安とも割高とも判断しづらい状況です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、745円から752円の範囲で推移しており、746円で取引を終えています。年初来高値は816円、年初来安値は735円であり、現在の株価は年初来安値に近い水準です。50日移動平均線は748.50円、200日移動平均線は758.64円となっており、株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は41.4億円、2023年3月期は42.8億円と、減少傾向にあります。
- 営業利益: 2024年3月期は2.2億円、2023年3月期は3.0億円と、減少しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は1.8億円、2023年3月期は3.0億円と、減少しています。
- ROE（実績）: 3.65%
- ROA（過去12か月）: 1.53%
- 自己資本比率（実績）: 54.6%
売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性は低下しています。自己資本比率は54.6%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.61%
- 1株配当（会社予想）: 12.00円
- 配当性向: 35.68%
- 自社株買い: 実施に関する情報はありません。
配当利回りは1.61%と、それほど高くはありません。配当性向は35.68%であり、利益水準に応じて配当を支払う方針と考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、小幅な変動を繰り返しており、方向感に乏しい状況です。出来高も少なく、投資家の関心は低いと考えられます。信用買い残は増加傾向にありますが、信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
11. 総評
大田花きは、花き卸売市場の最大手であり、安定した事業基盤を持っています。しかし、近年の業績は売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性の改善が課題です。株価は割高感があり、テクニカル的にも低迷しています。配当利回りはそれほど高くなく、株主還元は現状では限定的です。今後の株価は、業績の回復、花き市場の動向、経営戦略の進捗などに左右されると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 7555 |
| 企業名 | 大田花き |
| URL | http://www.otakaki.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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