1. 企業情報
TDKは、電子部品の大手メーカーです。主な事業内容は、HDD（ハードディスクドライブ）向け磁気ヘッド、コンデンサなどの受動部品、二次電池、センサー応用製品など多岐にわたります。世界的に事業を展開しており、特にエナジー応用製品（二次電池など）が収益の大きな柱となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
TDKは、電子部品業界において、世界的に高い競争力を持つ企業の一つです。特にHDD向け磁気ヘッドや、車載用電子部品、スマートフォン向け部品など、高付加価値製品で強みを発揮しています。競合他社としては、村田製作所、京セラなどが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
TDKは、中期経営計画において、成長分野への投資を強化し、事業ポートフォリオの最適化を進めています。具体的には、車載、産業機器、ICT（情報通信技術）分野への注力を掲げています。また、技術革新を加速させ、高付加価値製品の開発に注力することで、収益性の向上を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
TDKの事業モデルは、多角的な製品ラインナップと、幅広い顧客基盤によって支えられています。特に、エナジー応用製品の需要は、電気自動車（EV）や再生可能エネルギーの普及に伴い、今後も拡大が見込まれます。また、技術革新への投資を継続することで、市場ニーズの変化に対応し、持続的な成長を目指しています。
5. 技術革新と主力製品
TDKは、技術開発に積極的に取り組んでおり、特に材料技術、プロセス技術、シミュレーション技術を強みとしています。主力製品としては、HDD向け磁気ヘッド、各種コンデンサ、二次電池、センサーなどが挙げられます。これらの製品は、スマートフォン、パソコン、自動車、産業機器など、幅広い分野で利用されています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,569.0円
- EPS（会社予想）: 84.33円
- PER（会社予想）: 18.61倍
- BPS（実績）: 997.53円
- PBR（実績）: 1.57倍
PERは18.61倍であり、業界平均PERの24.2と比較すると、やや割安な水準と言えます。PBRは1.57倍であり、割安感は限定的です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1,500円台後半で推移しており、2025年3月3日の1,620.5円をピークにやや調整局面に入っているように見えます。年初来高値は2,241円、年初来安値は1,277円であり、現在の株価は年初来安値からは上昇していますが、高値圏からは下落傾向にあります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で2兆1,038億円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で1,728億円。
- ROE（実績）: 7.88%
- ROA（過去12か月）: 3.98%
- 自己資本比率（実績）: 50.0%
売上高は増加傾向にあり、営業利益も堅調に推移しています。ROEは7.88%であり、更なる向上が期待されます。自己資本比率は50.0%と高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.78%
- 1株配当（会社予想）: 28.00円
- 配当性向: 29.29%
配当利回りは1.78%であり、まずまずの水準です。配当性向は29.29%と、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや調整局面に入っています。信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心は高いと考えられます。
11. 総評
TDKは、電子部品業界におけるリーディングカンパニーであり、多角的な事業展開と高い技術力、安定した財務基盤を有しています。エナジー応用製品の成長、車載、産業機器、ICT分野への注力など、今後の成長戦略も明確です。株価は、PER、PBRともに、業界平均と比較して、割安感があります。テクニカル面では、高値圏からの調整局面にあるため、今後の株価動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6762 |
| 企業名 | TDK |
| URL | https://www.tdk.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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