1. 企業情報
株式会社ダイサンは、建築工事用の足場設計・施工を主軸とする企業です。くさび式足場システムで国内首位のシェアを誇り、住宅工事を中心に事業を展開しています。足場システムの販売も手掛けており、関東圏への事業拡大、シンガポールへの拠点設置など、積極的な事業展開を行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ダイサンは、くさび式足場分野で国内トップシェアを占めています。建設業界、特に住宅分野における足場需要は安定しており、同社の強みとなっています。しかし、新設住宅着工戸数の減少など、市場環境の変化に対応していく必要があります。競合他社との差別化を図り、競争優位性を維持していくことが課題です。
3. 経営戦略と重点分野
ダイサンは、第4次中期経営計画において、「コア事業領域の深化」、「新たな収益事業の創造」、「経営基盤の強靭化」を3つの重点戦略として掲げています。具体的には、施工サービスの品質向上、製商品販売事業における価格転嫁、海外事業の拡大などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
ダイサンの収益モデルは、足場設計・施工サービスと足場システムの販売を組み合わせたものです。住宅需要に依存する部分が大きいため、新設住宅着工戸数の減少や、建設投資の動向に業績が左右される可能性があります。市場ニーズの変化に対応するため、新たな収益源の開拓や、海外展開の加速などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
ダイサンは、くさび式足場システムを主力製品としています。技術革新に関する具体的な情報は開示されていませんが、安全性の向上や作業効率の改善につながる製品開発が重要と考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 582.0円
- PER（会社予想）: (連)14.09倍
- PBR（実績）: (連)0.68倍
- EPS（会社予想）: (連)41.32
- BPS（実績）: (連)856.31
PERは業界平均（15.0倍）を下回っており、割安感があります。PBRは1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、560円台から580円台で推移しており、200日移動平均線（560.90）を上回っています。年初来高値（670円）からは下落していますが、50日移動平均線（548.96）を上回っており、底堅さも伺えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年4月期は10,407百万円、直近12ヶ月では10,407,623千円と、過去数年と比較して安定しています。
- 営業利益: 2024年4月期は56百万円、直近12ヶ月では56,290千円と、過去数年で改善傾向にあります。
- 経常利益: 2024年4月期は68百万円、直近12ヶ月では68,212千円と、過去数年で改善傾向にあります。
- 当期純利益: 2024年4月期は60百万円、直近12ヶ月では60,601千円と、過去数年で改善傾向にあります。
- ROE: (過去12か月)1.12%
- 自己資本比率: (実績)51.6%
直近の業績は、売上高が安定し、利益も改善傾向にあります。自己資本比率も高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.78%
- 1株配当（会社予想）: 22.00円
- 配当性向: 64.86%
- Ex-Dividend Date: 2025年4月17日
安定した配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近の変動: 安定した推移を見せています。
- 信用取引: 信用買い残は増加傾向、信用売り残も増加傾向にあり、売りと買いの拮抗が見られます。
- 株価への影響を与える要因: 建設業界の動向、特に住宅着工件数の増減、資材価格の変動、海外事業の進捗などが挙げられます。
11. 総評
ダイサンは、足場設計・施工分野で国内トップシェアを誇る企業であり、安定した収益基盤を持っています。業績は改善傾向にあり、財務体質も良好です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力です。今後の成長戦略として、中期経営計画に基づいた事業展開が重要となります。建設業界の動向や、海外事業の進捗に注目し、長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 4750 |
| 企業名 | ダイサン |
| URL | http://www.daisan-g.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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