1. 企業情報
キユーソー流通システムは、食品物流を主力とする総合物流企業です。キユーピーグループの一員であり、食品の保管、輸送、流通加工など、幅広いサービスを提供しています。特に、チルド・冷凍食品の配送に強みがあり、全国規模での小口配送ネットワークも構築しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
食品物流業界において、キユーソー流通システムは大手の一角を占めています。キユーピーグループとの連携を活かし、安定した顧客基盤を築いています。競争優位性としては、低温物流におけるノウハウと全国ネットワークが挙げられます。課題としては、人手不足や燃料価格の高騰、物流の2024年問題など、業界全体が抱える課題への対応が求められます。
3. 経営戦略と重点分野
キユーソー流通システムは、中期経営計画において「徹底力で体質強化」をテーマに掲げ、以下の4つを基本方針としています。
* 機能の強化
* 環境変化への対応
* 海外展開の基盤拡充
* 新領域への参入
第8次中期経営計画（2025年11月期～2028年11月期）では、「物流の持続性確保と新たな価値創出」をテーマに、「国内事業の整備」「新領域の拡充と更なる開拓」「経営基盤の強化」を基本方針としています。
4. 事業モデルの持続可能性
キユーソー流通システムの収益モデルは、食品物流という安定した需要に支えられています。食品は生活必需品であり、景気変動の影響を受けにくい傾向があります。市場ニーズの変化への適応としては、EC市場の拡大に対応した物流サービスの強化や、省人化・効率化に向けた技術導入などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
キユーソー流通システムは、物流効率化のための技術導入を進めています。具体的な技術開発の動向に関する情報は、今回のデータからは明確ではありません。主力製品・サービスは、食品の保管・輸送・流通加工など、一連の食品物流サービスです。
6. 株価の評価
- 株価: 1,915.0円
- PER（会社予想）: 23.80倍 (業界平均: 11.8)
- PBR（実績）: 1.11倍 (業界平均: 0.5)
- EPS（会社予想）: 80.46円
- BPS（実績）: 1,725.99円
PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均より高いものの、1倍を超えており、割安とは言えません。EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割高と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月10日に1,946円の高値をつけた後、株価は下落傾向にあります。200日移動平均線（1,953.33円）を下回っており、高値圏にあるとは言えません。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にあり、2024年11月期は195,192百万円。
- 営業利益: 2024年11月期は5,563百万円と、過去最高益を更新。
- 経常利益: 2024年11月期は4,887百万円。
- 当期純利益: 2024年11月期は2,660百万円。
- ROE（実績）: 6.40%
- ROA（過去12か月）: 2.79%
- 自己資本比率（実績）: 32.8%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、業績は好調です。ROEは6%台と、まずまずの水準です。自己資本比率は30%を超えており、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.44%
- 1株配当（会社予想）: 27.50円
- 配当性向: 21.95%
- 自社株買い: 記載なし
配当利回りは1%台と、特筆すべき水準ではありません。配当性向は20%台と、まだ余裕があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用倍率は17.87倍と、買われ過ぎの状況です。株価への影響を与える要因としては、業績動向、物流業界の動向、金利変動などが挙げられます。
11. 総評
キユーソー流通システムは、食品物流を主力とする安定的な企業です。業績は好調で、財務体質も良好です。しかし、株価は割高感があり、テクニカル的にも下落傾向にあります。配当利回りも低く、株価の割安感も乏しいため、今後の株価動向には注意が必要です。投資を検討する際には、更なる情報収集と、ご自身の投資判断に基づいた慎重な行動が求められます。
企業情報
| 銘柄コード | 9369 |
| 企業名 | キユーソー流通システム |
| URL | http://www.krs.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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