1. 企業情報
小野測器は、デジタル計測機器メーカーとして、回転・振動・騒音計などの分野で国内最大手の地位を確立しています。自動車業界向けが主要顧客であり、アジア地域への展開も進めています。計測機器、特注試験装置及びサービスの提供を通じて、幅広い産業のニーズに対応しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
小野測器は、回転計、音響・振動計などの分野で高い市場シェアを有しており、業界内での競争優位性を確立しています。自動車業界の動向に業績が左右されやすいという側面があり、自動車業界の変革（EV化など）への対応が今後の課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、中期経営計画「Challenge Stage IV」を策定し、売上高145億円、営業利益10億円、ROE6%以上を最終年度の目標としています。重点分野としては、計測機器における新製品開発、半導体関連、音響・振動関連、トルク計測分野の拡大、特注試験装置及びサービスにおける顧客の既存設備の更新や電動化への対応、ベンチマーキングレポート販売などが挙げられます。
4. 事業モデルの持続可能性
小野測器の収益モデルは、計測機器と特注試験装置及びサービスを組み合わせたもので、安定した需要が見込めます。自動車業界の動向に左右される側面はありますが、新製品開発や新たな市場への参入を通じて、市場ニーズの変化への適応を図っています。
5. 技術革新と主力製品
小野測器は、各種センサ類、回転・速度計測機器、寸法・変位計測機器、音響・振動計測機器、トルク計測機器など、幅広い製品を提供しています。特に、自動車性能計測機器は主力製品の一つです。技術開発においては、新製品の開発や既存製品の改良に注力しており、顧客ニーズに対応した製品を提供しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 10.29倍（業界平均12.9倍）
- PBR（実績）: 0.36倍（業界平均0.8倍）
- EPS（会社予想）: 53.24円
- BPS（実績）: 1,511.83円
上記の指標から、小野測器の株価は、同業他社と比較して割安な水準にあると考えられます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、546円から555円の間で推移しており、50日移動平均線（549.98円）を下回っています。年初来高値は720円、年初来安値は417円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づいている状況です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年12月期は118億円（前年比+2.3%）と微増。2025年12月期の予想は138億円（+16.9%）と増収を見込んでいます。
- 営業利益: 2024年12月期は1.44億円（前年比+4.0%）と増益。
- 経常利益: 2024年12月期は2.12億円（前年比+3.8%）と増益。
- 当期純利益: 2024年12月期は14.59億円（前年比+232.9%）と大幅増益。旧本社ビルの売却に伴う特別利益を計上。
- ROE: 2024年12月期9.91%
- 自己資本比率: 2024年12月期73.3%と、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.65%
- 1株配当（会社予想）: 20.00円
- 2024年12月期は、年間30.00円（中間15.00円、期末15.00円、特別配当15.00円）と増配を実施。2025年12月期は年間20.00円を予想。
小野測器は、株主還元に積極的であり、高い配当利回りを維持しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、546円から555円の間で推移しており、方向感は定まっていません。信用買い残は186,900株で、前週比-1,700株と減少しています。信用倍率は0.00倍と、売り残がありません。
2025年12月期の業績予想が好調であること、高い配当利回りなどが、株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
小野測器は、計測機器分野で高い競争力を持つ企業であり、財務体質も良好です。2024年12月期は増収増益を達成し、2025年12月期も増収増益を見込んでいます。株価は割安な水準にあり、高い配当利回りも魅力的です。ただし、自動車業界の動向に業績が左右されやすい点、直近の株価が方向感に欠ける点には注意が必要です。
今後の業績推移、新中期経営計画の進捗、技術革新の動向などを注視し、総合的に判断することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6858 |
| 企業名 | 小野測器 |
| URL | http://www.onosokki.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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