1. 企業情報
大和自動車交通は、東京を地盤とするハイヤー・タクシー大手です。旅客自動車運送事業を主軸とし、不動産賃貸、燃料販売、サービス・メンテナンス事業なども展開しています。都心の一等地に営業所を構え、子会社を多数持つ持株会社体制です。
2. 業界のポジションと市場シェア
東京のハイヤー・タクシー業界において、大和自動車交通は大手4社の一角を占めています。信和事業協同組合との提携も行っており、一定の競争優位性を持っています。しかし、業界全体としては、人件費や燃料費の高騰、ライドシェアサービスの台頭など、様々な課題に直面しています。
3. 経営戦略と重点分野
詳細な経営戦略や中期経営計画に関する情報は、今回のデータからは明確に読み取れませんでした。しかし、事業内容から、ハイヤー・タクシー事業の強化、不動産事業の安定的な収益確保、新規事業への取り組みなどが、経営の重点分野であると推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
ハイヤー・タクシー事業は、景気変動の影響を受けやすく、燃料価格や人件費などのコスト変動も大きい事業です。不動産事業は安定的な収益源となる可能性がありますが、市況の影響も受けます。市場ニーズの変化への対応として、新たなサービス提供や、MaaS（Mobility as a Service）への対応などが求められるでしょう。
5. 技術革新と主力製品
具体的な技術革新に関する情報は、今回のデータからは得られませんでした。しかし、タクシー配車アプリの導入や、EV（電気自動車）タクシーの導入など、業界全体で技術革新が進んでいます。主力製品は、ハイヤー・タクシーサービスであり、顧客の多様なニーズに応えるサービス提供が重要です。
6. 株価の評価
- 株価: 873.0円
- PER（会社予想）: (連)129.72倍
- PBR（実績）: (連)0.42倍
- EPS（会社予想）: (連)6.73円
- BPS（実績）: (連)2,068.02円
PERは業界平均（8.1倍）を大きく上回っており、割高感があります。PBRは業界平均（0.5倍）を下回っており、割安感があります。EPSは低く、業績の回復が待たれます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、843円から873円のレンジで推移しており、安定した動きを見せています。年初来高値（1,245円）からは大きく下落し、年初来安値（653円）からの上昇基調です。50日移動平均線（773円）と200日移動平均線（738.49円）を上回っており、中期的な上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
| 項目 | 過去12か月 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 18,377百万円 | 18,377百万円 | 17,795百万円 | 15,271百万円 | 11,533百万円 |
| 営業利益 | -466百万円 | -466百万円 | 81百万円 | -1,234百万円 | -3,543百万円 |
| 経常利益 | -415百万円 | -415百万円 | 84百万円 | 2,666百万円 | -1,569百万円 |
| 当期純利益 | -532百万円 | -532百万円 | 177百万円 | 1,818百万円 | -1,721百万円 |
| 売上高成長率 | 3.27% | 19.18% | 16.53% | 32.38% | – |
| 営業利益率 | -2.54% | -2.54% | 0.45% | -8.08% | -30.72% |
| ROE | -5.74% | – | – | – | – |
| ROA | -0.41% | – | – | – | – |
| 自己資本比率 | 30.3% | – | – | – | – |
売上高は増加傾向にありますが、営業利益、経常利益、当期純利益は赤字です。2023年3月期に黒字化しましたが、2024年3月期は再び赤字に転落しています。ROE、ROAもマイナスであり、収益性の改善が急務です。自己資本比率は30.3%と、財務体質は安定していると言えます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.92%
- 1株配当（会社予想）: 8.00円
- 配当性向: 19.47%
2024年3月期の年間配当は6.00円、2025年3月期は8.00円（予想）と増配を予定しています。配当利回りは1%を下回っており、それほど高いとは言えません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年3月6日に年初来高値を更新した後、調整局面に入っています。出来高は低調で、投資家の関心はそれほど高くないと考えられます。
11. 総評
大和自動車交通は、東京のハイヤー・タクシー大手であり、不動産事業も展開していますが、業績は低迷しており、2024年3月期は赤字決算となっています。株価は、PERは割高、PBRは割安という評価です。テクニカル的には、中期的な上昇トレンドを示唆していますが、業績の改善が不可欠です。配当は増配を予定していますが、配当利回りはそれほど高くありません。今後の業績回復と、経営戦略の進捗に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9082 |
| 企業名 | 大和自動車交通 |
| URL | http://www.daiwaj.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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