1. 企業情報

南海化学は、1906年創業の化学品メーカーです。主な事業は、苛性ソーダなどの無機工業薬品、水処理剤、農薬、医薬部外品などの製造・販売です。また、塩の加工販売も行っています。中山製鋼所から独立した企業であり、化学品事業が収益の大部分を占めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

南海化学は、化学品業界において、特に苛性ソーダとその派生品に強みを持つと考えられます。詳細な市場シェアの情報は開示されていませんが、同社の事業規模や歴史から、一定のシェアを占めていると推測されます。

競争優位性:

  • 苛性ソーダを中心とした安定的な需要が見込める製品群
  • 長年の事業活動による顧客基盤
  • 硫酸リサイクル事業など、環境関連分野への取り組み

課題:

  • 原材料価格の変動リスク
  • 競合他社との価格競争
  • 環境規制への対応

3. 経営戦略と重点分野

南海化学は、中期経営計画「サステナブルな明日を創る」を掲げ、収益基盤の強化、環境リサイクル事業領域の拡大、サステナブル経営の推進を重点分野としています。

中期経営計画の具体的な施策:

  • 地域に根ざした販売体制の強化
  • サプライチェーンの整備
  • 廃硫酸リサイクルの新規顧客獲得
  • 凍結防止剤の出荷増加

4. 事業モデルの持続可能性

南海化学の事業モデルは、化学品という社会インフラを支える製品を提供しており、安定した需要が見込める点で持続可能性が高いと考えられます。

収益モデル:

  • 化学品事業:苛性ソーダ、派生品、水処理剤、農薬などの販売
  • 各種塩事業:塩の加工販売
  • 硫酸リサイクル事業など、環境関連事業

市場ニーズの変化への適応力:

  • 環境規制への対応
  • 新製品・サービスの開発
  • 顧客ニーズへの対応

5. 技術革新と主力製品

南海化学は、技術革新に関する具体的な情報開示は限定的です。しかし、化学品メーカーとして、製品の品質向上や製造プロセスの効率化、環境負荷低減に向けた技術開発は継続的に行われていると推測されます。

主力製品:

  • 苛性ソーダとその派生品
  • 水処理剤
  • 農薬
  • 各種塩

6. 株価の評価

指標に基づく株価評価:

  • PER(会社予想): 7.90倍 (業界平均15.9)
  • PBR(実績): 0.70倍 (業界平均0.7)
  • EPS(会社予想): 358.79円
  • BPS(実績): 4,055.52円

PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。PBRは業界平均と同水準です。

計算:

  • PER: 株価2,834円 ÷ EPS358.79円 = 7.90
  • PBR: 株価2,834円 ÷ BPS4,055.52円 = 0.70

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月19日に高値2,834円を付けています。年初来高値は6,060円、年初来安値は1,854円です。50日移動平均線は2374.24円、200日移動平均線は2535.43円です。

現在の株価の状況:

  • 直近では上昇傾向にあり、高値圏にあると言えます。
  • 50日、200日移動平均線を上回っており、テクニカル的には強気を示唆しています。

8. 財務諸表分析

売上高:

  • 過去12ヶ月:19,987百万円
  • 2024年3月期:19,987百万円
  • 過去5年:売上高は概ね増加傾向にあります。

利益:

  • 営業利益、経常利益、当期純利益は、2024年3月期に大きく増加しましたが、2025年3月期第3四半期累計期間では減少しています。

キャッシュフロー:

  • キャッシュフローに関する詳細な情報は、決算短信からは得られません。

ROE・ROA:

  • ROE(過去12ヶ月):18.44%
  • ROA(過去12ヶ月):3.70%
  • ROEは高い水準にあります。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.94%
  • 1株配当(会社予想): 55.00円
  • 配当性向: 11.40%
  • 自社株買い: 実施に関する情報はありません。

南海化学は、安定的な配当を重視していると考えられます。配当利回りは、現時点では平均的な水準です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いと言えます。
  • 株価への影響要因:
    • 化学品市場の動向
    • 原材料価格の変動
    • 業績発表
    • 中期経営計画の進捗

11. 総評

南海化学は、苛性ソーダを主力とする安定的な事業基盤を持つ化学品メーカーです。割安な株価指標、高いROE、中期経営計画に基づく成長戦略など、投資魅力のある要素も存在します。

総合的な見解:

  • 割安な株価水準であり、今後の業績回復や成長への期待から、投資妙味があると考えられます。
  • ただし、化学品市場の動向、原材料価格の変動、世界経済の先行きなど、注意すべきリスクも存在します。

企業情報

銘柄コード 4040
企業名 南海化学
URL https://www.nankai-chem.co.jp
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

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