1. 企業情報

日伝(9902)は、産業用機械部品の専門商社です。動力伝導機器(モーター、減速機、チェーンなど)、制御機器(センサー、コントローラーなど)、産業機器(コンベア、集塵機など)を中心に幅広い製品を取り扱っています。国内市場を基盤としつつ、アジア地域での事業展開も強化しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

日伝は、産業用機械部品の専門商社として、動力伝導機器や軸受け分野で高いシェアを有しています。業界内での競争優位性は、幅広い製品ラインナップ、高度な技術サポート、きめ細やかな顧客対応に支えられています。
課題としては、景気変動の影響を受けやすいこと、特定のメーカーへの依存度が高いこと、海外競合との価格競争などが挙げられます。

3. 経営戦略と重点分野

日伝は、中期経営計画「New Dedication2026」を策定し、継続的な成長と持続可能な社会の実現を目指しています。具体的な施策としては、
* アジア地域での事業拡大: 現地ニーズに合わせた製品・サービスの提供
* 新技術への対応: DX、脱炭素、省力化ニーズに対応した製品・サービスの強化
* 顧客との連携強化: 顧客の課題解決に貢献する提案力の向上

などが挙げられます。

4. 事業モデルの持続可能性

日伝の収益モデルは、産業界の設備投資需要に大きく依存しています。市場ニーズの変化への適応力としては、
* 製品ラインナップの拡充: 新技術や多様なニーズに対応した製品の提供
* サービス体制の強化: 技術サポートやメンテナンスサービスの拡充
* 顧客との関係強化: 顧客のニーズを的確に把握し、最適なソリューションを提供

などが重要となります。

5. 技術革新と主力製品

日伝は、特定の技術に特化しているというよりは、幅広い製品を取り扱う商社としての強みを持っています。
主力製品は、動力伝導機器、制御機器、産業機器など多岐にわたります。これらの製品は、製造業をはじめとする様々な産業分野で利用されており、省力化、自動化、効率化に貢献しています。

6. 株価の評価

指標
株価 3,115.0円
PER(会社予想) 19.78倍
PBR(実績) 1.08倍
EPS(会社予想) 157.46円
BPS(実績) 2,882.31円

PERは業界平均(12.1倍)を上回っています。PBRは業界平均(1.0倍)と同程度です。EPSとBPSから、現在の株価は割安とも割高とも判断しにくい状況です。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、3,000円台前半で推移しており、200日移動平均線(3,210.52円)を下回っています。年初来高値(3,830円)からは下落しており、高値圏にあるとは言えません。

8. 財務諸表分析

指標 過去12か月(百万円) 3/31/2024(百万円) 3/31/2023(百万円)
売上高 126,912 126,912 131,609
営業利益 5,810 5,810 6,287
経常利益 6,847 6,847 7,206
当期純利益 4,674 4,674 4,967
ROE 5.36%
ROA 3.09%
自己資本比率 69.1%
  • 売上高: 2024年3月期は前期比で減少しましたが、直近12か月では増加に転じています。
  • 利益: 営業利益、経常利益、当期純利益は、2023年3月期から2024年3月期にかけて減少しましたが、直近12か月では改善傾向にあります。
  • ROE: 5.36%と、特筆すべき水準ではありません。
  • 自己資本比率: 69.1%と高く、財務体質は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.41%
  • 1株配当(会社予想): 75.00円
  • 配当性向: 62.94%

日伝は、安定的な配当を継続する方針です。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、3,000円台前半で推移しており、方向感に欠ける展開となっています。
株価への影響を与える要因としては、
* 世界経済の動向: 設備投資需要に影響
* 産業界の動向: 半導体、自動車など主要顧客の業績
* 為替変動: 海外取引における影響
* 中期経営計画の進捗: 業績目標の達成状況

などが挙げられます。

11. 総評

日伝は、産業用機械部品の専門商社として、安定した収益基盤を持っています。財務体質も良好で、株主還元にも積極的です。
一方、PERは業界平均を上回っており、今後の業績拡大に対する期待が織り込まれている可能性があります。


企業情報

銘柄コード 9902
企業名 日伝
URL http://www.nichiden.com/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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