1. 企業情報
三東工業社は、滋賀県を地盤とする建設会社です。土木工事を主力とし、特に県内でのシェアが高いのが特徴です。近年は官公需中心の土木工事から、民間建築へのシフトを進めています。地中技術にも強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 滋賀県内での土木工事において首位の地位を確立しています。
- 競争優位性: 滋賀県という地域に根差した事業展開、官公需と民間工事の両方に対応できる点、地中技術への強みが競争優位性につながっています。
- 課題: 建設業界全体が人手不足や資材価格の高騰といった課題を抱えており、三東工業社も例外ではありません。また、県内中心の事業展開であるため、地域経済の影響を受けやすい可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 滋賀県内での建設事業を基盤としつつ、民間建築への注力、県内資源の活用を推進しています。
- 中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な情報は、今回のデータからは確認できませんでした。
- 重点分野: 民間建築、地中技術、環境開発事業が重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 土木工事と建築工事を組み合わせた事業モデルです。官公需と民間工事のバランスを取りながら、安定的な収益を目指しています。
- 市場ニーズへの適応力: 民間建築へのシフトや環境開発事業への取り組みは、市場ニーズの変化に対応しようとする姿勢の表れです。
- 持続可能性への課題: 建設業界全体が抱える課題に加え、地域経済への依存度が高い点がリスク要因となります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 地中技術に強みを持っており、技術開発にも注力していると考えられます。
- 主力製品/サービス: 土木工事、建築工事、環境開発事業が主力です。
6. 株価の評価
- PER: 12.73倍（会社予想）
- PBR: 0.79倍（実績）
- EPS: 322.18円（会社予想）
- BPS: 5,176.47円（実績）
- 業界平均との比較: 業界平均PERは11.3倍、PBRは0.7倍です。三東工業社のPERは業界平均よりやや高く、PBRはほぼ同水準です。
- 株価の割安性: PERとPBRから判断すると、現時点では割安感があるとは言い切れません。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、3,930円から4,100円の間で推移しており、上昇傾向にあります。
- 高値圏/安値圏: 年初来高値は4,500円、年初来安値は3,080円です。現在の株価4,100円は、年初来高値に近づいており、高値圏にあると言えます。
- 移動平均線: 50日移動平均線は3,859.60円、200日移動平均線は3,648.30円です。現在の株価はこれらの移動平均線を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月の売上高は69.2億円で、前期（6/30/2023）の69.2億円から微減しています。
- 利益: 過去12ヶ月の営業利益は199百万円、当期純利益は132百万円です。
- キャッシュフロー: 営業キャッシュフローは156百万円、フリーキャッシュフローは-6百万円です。
- ROE: 3.00%
- ROA: 1.66%
- 財務状況: 自己資本比率は70.2%と高く、財務体質は良好です。
- 損益計算書（過去5年）:
- 売上高は、2021年をピークに減少傾向にあります。
- 営業利益、当期純利益は、2023年に大きく落ち込んでいますが、2024年には回復傾向にあります。
- 直近の四半期決算:
- 2024年6月期の第2四半期決算では、売上高、利益ともに減少しています。
- セグメント別では、土木事業の完成工事高と利益が減少し、建築事業は損失を計上しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 1.71%（会社予想）
- 配当性向: 49.31%
- 配当: 1株あたり70円の配当を予定しています。
- 株主還元策: 配当による株主還元を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動傾向: 直近10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強くなっています。
- 株価への影響要因:
- 建設業界全体の動向（公共投資、民間設備投資など）
- 滋賀県内の経済状況
- 同社の業績（受注状況、工事の進捗状況など）
- 配当政策
- 出来高: 直近の出来高は400株と少なく、流動性は低いと言えます。
11. 総評
三東工業社は、滋賀県を地盤とする建設会社であり、県内での高いシェアと安定した財務基盤が魅力です。民間建築へのシフトや環境開発事業への取り組みは、今後の成長の可能性を示唆しています。
ポジティブな点:
- 滋賀県内での高いシェア
- 高い自己資本比率
- 配当による株主還元
ネガティブな点:
- 地域経済への依存度が高い
- 建設業界特有の人手不足や資材価格高騰のリスク
- 直近の四半期決算では減収減益
総合的な見解:
現時点では、株価は高値圏にあり、割安感は薄いです。業績の回復傾向や、今後の事業展開に注目する必要があります。投資を検討する際は、建設業界全体の動向や、同社の業績推移を注視し、リスクを十分に理解した上で判断することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 1788 |
| 企業名 | 三東工業社 |
| URL | http://www.santo.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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