1. 企業情報
日本電子（JEOL Ltd.）は、電子顕微鏡で世界最大手の企業です。理科学・計測機器、産業機器、医用機器の研究開発、製造、販売を行っています。特に電子顕微鏡は高い技術力を誇り、半導体製造装置分野にも注力しています。ニコンとの提携も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
電子顕微鏡分野で世界トップシェアを誇り、高い競争優位性を持っています。半導体製造装置分野への参入も進めており、今後の成長が期待されます。課題としては、世界的な景気変動や、競合他社との技術競争が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「Evolving Growth Plan」を推進し、企業価値の向上と経営基盤の強化を目指しています。重点分野は、電子顕微鏡を核とした理科学・計測機器事業の強化、半導体製造装置分野の拡大、医用機器事業の成長です。
4. 事業モデルの持続可能性
電子顕微鏡や半導体製造装置は、研究開発や製造プロセスにおいて不可欠な機器であり、安定した需要が見込めます。市場ニーズの変化への対応として、新製品の開発や技術革新を積極的に行い、競争力を維持しています。
5. 技術革新と主力製品
電子顕微鏡技術は同社の強みであり、最先端の研究開発を支えています。主力製品は、透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡などの電子顕微鏡群、半導体製造用の電子ビーム描画装置などです。これらの製品が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 4,870.0円
- EPS（会社予想）: 459.71円
- PER（会社予想）: 10.59倍
- BPS（実績）: 2,750.88円
- PBR（実績）: 1.77倍
PERは業界平均（24.2倍）と比較して低く、割安感があります。PBRは業界平均（1.6倍）とほぼ同水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、4,700円台から5,000円近辺で推移しており、2025年3月21日には4,870円で取引を終えています。年初来高値は7,546円、年初来安値は4,326円です。50日移動平均線は5,359.14円、200日移動平均線は5,786.17円であり、現在の株価はこれらの移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で174,336百万円と、前期（2023年3月期）の162,689百万円から増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で27,532百万円と、前期の24,156百万円から増加しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で21,704百万円と、前期の17,830百万円から増加しています。
- ROE（実績）: 19.09%
- ROA（過去12か月）: 11.31%
- 自己資本比率（実績）: 54.5%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、収益性は向上しています。自己資本比率も高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 1.89%
- 1株配当（会社予想）: 92.00円
- 配当性向: 15.09%
- 自社株買い: 記載なし
配当利回りは、現時点では特筆すべき水準ではありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にあります。信用倍率は28.56倍と高く、買われ過ぎの可能性があります。株価への影響を与える要因としては、世界経済の動向、半導体市場の需要、新製品の発表などが挙げられます。
11. 総評
日本電子は、電子顕微鏡分野で高い技術力と世界トップシェアを誇る企業です。業績は好調に推移しており、財務基盤も安定しています。PERは割安感があり、今後の成長も期待できます。ただし、株価はやや下落傾向にあり、信用倍率も高いことから、今後の株価動向には注意が必要です。投資にあたっては、世界経済の動向や半導体市場の需要、競合他社の動向などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 6951 |
| 企業名 | 日本電子 |
| URL | http://www.jeol.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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