1. 企業情報
NTN株式会社は、ベアリング、ドライブシャフト、精密機器などの製造・販売を行う企業であり、1918年に設立されました。本社は大阪市に位置し、世界中で事業を展開しています。特に自動車市場向けの製品が主力で、等速ジョイントでは世界シェア2位、ハブベアリングでは世界トップの地位を誇ります。
2. 業界のポジションと市場シェア
NTNはベアリング業界の大手3社の一角を占めており、特に自動車市場向け製品で強みを持っています。等速ジョイントとハブベアリングでの高い市場シェアが競争優位性を支えていますが、業界全体の競争は激化しており、価格競争や新技術の導入が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
NTNは「事業構造の変革(Transformation) の加速」を掲げ、NTN再生を目指しています。中期経営計画「DRIVE NTN100」では、生産再編を中心とした事業構造改革を進めています。また、「SQCCD」の強化を通じて「稼ぐ力」の向上に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
NTNの収益モデルは、自動車市場向けの製品が主力ですが、産業機械市場や補修市場向けの製品も展開しています。市場ニーズの変化に対応するための技術革新やコスト削減が求められています。
5. 技術革新と主力製品
NTNはベアリングの技術開発に注力しており、特に自動車向けの等速ジョイントやハブベアリングが主力製品です。これらの製品は、同社の収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 258.9円
- BPS: 482.06円
- PBR: 0.54倍
業界平均PBRが1.4倍であることを考慮すると、NTNの株価は割安と評価される可能性があります。しかし、EPSがマイナスであるため、PERの算出は困難です。
7. テクニカル分析
株価は年初来安値230円から反発しており、現在は258.9円で推移しています。50日移動平均線（245.09円）を上回っているものの、200日移動平均線（262.69円）には届いておらず、上昇トレンドへの転換には至っていません。
8. 財務諸表分析
- 売上高は過去数年で増加傾向にありますが、利益率は低下しています。
- ROEは4.36%と低く、資本効率の改善が求められます。
- 自己資本比率は29.0%であり、財務の健全性に課題があります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回りは4.25%と高めですが、配当性向が149.79%と高く、持続可能性に懸念があります。
- 自社株買いの情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
最近の株価は上昇傾向にありますが、依然として過去の高値からは下落しています。投資家の関心は、今後の業績改善や配当の持続可能性に向けられています。
11. 総評
NTN株式会社は、自動車市場向けの製品で強みを持つ一方で、利益率の低下や財務の健全性に課題があります。株価は割安と評価される可能性がありますが、EPSがマイナスであることから、業績改善が求められます。今後の経営戦略の進捗や市場環境の変化に注目が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6472 |
| 企業名 | NTN |
| URL | http://www.ntn.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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