1. 企業情報
株式会社トーホーは、西日本を地盤とする業務用食品卸売の最大手企業です。外食産業向けに強みを持っており、食材の卸売、キャッシュアンドキャリー事業、食品スーパー事業を展開しています。近年、食品スーパー事業からは撤退し、業務用食品卸売事業に注力しています。
* 事業内容: 業務用食品卸売（ディストリビューター）、キャッシュアンドキャリー、フードソリューション事業
* 特徴: 西日本地盤、外食産業向けに強み、食品スーパー事業からの撤退
2. 業界のポジションと市場シェア
トーホーは業務用食品卸売業界において、西日本を中心に高いシェアを誇っています。外食産業の需要を取り込み、安定した収益基盤を築いています。
* 競争優位性: 西日本における強固な顧客基盤、業務用食品卸売における豊富なノウハウ
* 課題: 物価上昇、人手不足、物流費の上昇といった外部環境の変化への対応
3. 経営戦略と重点分野
トーホーは、中期経営計画「SHIFT-UP 2027」を策定し、事業の成長を目指しています。
* 経営ビジョン: シェア拡大、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓
* 重点分野:
* ディストリビューター事業におけるシェア拡大
* キャッシュアンドキャリー事業における商品・メニュー提案の強化
* フードソリューション事業におけるグループシナジーの発揮
4. 事業モデルの持続可能性
トーホーの事業モデルは、外食産業の需要に支えられており、一定の安定性があります。しかし、物価上昇や人手不足、物流費の上昇といった外部環境の変化に対応していく必要があります。
* 収益モデル: 業務用食品卸売、キャッシュアンドキャリー、フードソリューション事業による複合的な収益構造
* 市場ニーズへの適応力: 外食産業のニーズに合わせた商品提供、顧客への提案力の強化
5. 技術革新と主力製品
トーホーは、技術革新に関する具体的な情報開示は少ないですが、業務用食品卸売業として、顧客ニーズに合わせた商品開発や、効率的な物流システムの構築が重要となります。
* 主力製品/サービス: 業務用食品、食材、食品スーパー事業（撤退済）
* 技術開発の動向: 顧客ニーズに合わせた商品開発、物流効率化
6. 株価の評価
現在の株価は3,520円です。
* PER（会社予想）: 8.06倍 (業界平均: 12.1)
* PBR（実績）: 1.23倍 (業界平均: 1.0)
* EPS（会社予想）: 436.95円
* BPS（実績）: 2,857.14円
PERは業界平均と比較して低く、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月17日には3,260円まで下落しましたが、その後は上昇傾向にあり、3月25日の終値は3,520円となっています。年初来高値は3,975円、年初来安値は2,354円です。
* 株価の状況: 過去10日間で上昇傾向。年初来高値にはまだ距離がある。
* 移動平均線: 50日移動平均線（2827.52円）と200日移動平均線（2939.39円）を上回っており、上昇トレンドを示唆。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年1月期は246,465百万円（前年同期比0.6%増）と微増。
- 営業利益: 2024年1月期は7,496百万円（前年同期比4.1%減）と減少。
- 経常利益: 2024年1月期は7,693百万円（前年同期比3.5%減）と減少。
- 当期純利益: 2024年1月期は4,485百万円（前年同期比24.4%増）と増加（海外子会社ののれん減損損失の反動による）。
- ROE（実績）: 15.48%
- ROA（過去12か月）: 8.62%
- 自己資本比率（実績）: 34.8%
売上高は微増ながら、営業利益、経常利益は減少しており、コスト増の影響が伺えます。当期純利益は増加していますが、一時的な要因によるものです。ROEは15%を超えており、効率的な経営が行われています。
9. 株主還元と配当方針
トーホーは株主還元に積極的であり、高い配当利回りを誇っています。
* 配当利回り（会社予想）: 4.26%
* 1株配当（会社予想）: 150.00円
* 配当性向: 29.98%
* 自社株買い: 実施の有無は情報に記載なし
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
* 株価の変動: 直近10日間で上昇。
* 株価への影響要因: 業績、今後の成長戦略、配当政策、市場全体の動向
11. 総評
トーホーは、業務用食品卸売業界で高いシェアを持ち、安定した収益基盤を築いています。配当利回りも高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
ポジティブな点:
- 高い配当利回り
- PERが業界平均より低い
- ROEが高い
- 直近の株価は上昇傾向
懸念点:
- 営業利益、経常利益の減少（コスト増の影響）
- 食品スーパー事業からの撤退による影響
- 物価上昇、人手不足、物流費の上昇といった外部環境の変化
総合的な見解:
トーホーは、安定した事業基盤と高い株主還元が魅力的な企業です。ただし、コスト増による利益への影響や、外部環境の変化に注意が必要です。今後の業績動向や、中期経営計画の進捗状況を注視していくことが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8142 |
| 企業名 | トーホー |
| URL | https://www.to-ho.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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