1. 企業情報
建設技術研究所（CTI Engineering Co., Ltd.）は、総合建設コンサルタントとして、道路、河川、防災関連のインフラ整備に関するコンサルティングサービスを提供しています。国内では、道路、河川分野に強みを持ち、高い技術力と資格保有者の多さが特徴です。海外展開も積極的に行っており、グローバルなインフラ需要を取り込んでいます。
2. 業界のポジションと市場シェア
建設コンサルタント業界において、建設技術研究所は上位に位置しています。国内インフラ投資の需要に加え、防災・減災、国土強靭化といった政策の後押しを受け、安定した需要を確保しています。競争優位性としては、高い技術力、豊富な資格保有者、海外展開のノウハウなどが挙げられます。課題としては、人件費の高騰や、競争激化による価格競争などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、防災・減災、国土強靭化関連の事業を重点分野としており、国内建設コンサルティング事業の強化を図っています。また、海外展開を加速させ、グローバルなインフラ需要を取り込むことで、更なる成長を目指しています。中期経営計画2024の最終年度であり、計画達成に向けた取り組みが注目されます。
4. 事業モデルの持続可能性
建設技術研究所の収益モデルは、公共事業への依存度が高く、国のインフラ投資動向に左右されやすい側面があります。しかし、防災・減災、老朽化対策など、社会的なニーズは高く、安定した需要が見込めます。また、海外展開によるリスク分散も図っており、市場ニーズの変化への適応力も高まっています。
5. 技術革新と主力製品
建設技術研究所は、高度な技術力を有し、河川、道路、防災関連の分野で多くの実績があります。具体的な技術としては、耐震設計、地盤調査、環境アセスメントなどがあります。主力製品は、これらの技術を駆使したコンサルティングサービスであり、公共事業を中心に収益を上げています。
6. 株価の評価
- 株価: 2,349円（2025年3月25日終値）
- EPS（会社予想）: 248.55円
- PER（会社予想）: 9.45倍（業界平均：17.0倍）
- BPS（実績）: 2,213.71円
- PBR（実績）: 1.06倍（業界平均：1.8倍）
現在の株価は、EPS、BPSから見て割安な水準にあると考えられます。PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月11日以降は上昇傾向にあり、2025年3月19日には2,409円の高値を付けています。200日移動平均線（2,400.45円）近辺での推移となっており、高値圏での推移と判断できます。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 過去12ヶ月 | 2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 | 2020年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 97,680百万円 | 93,057百万円 | 83,485百万円 | 74,409百万円 | 65,190百万円 |
| 営業利益 | 9,634百万円 | 10,011百万円 | 8,018百万円 | 6,991百万円 | 5,085百万円 |
| 経常利益 | 9,535百万円 | 10,140百万円 | 8,252百万円 | 6,879百万円 | 5,244百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,746百万円 | 7,534百万円 | 5,874百万円 | 4,471百万円 | 3,650百万円 |
| ROE | 11.62% | – | – | – | – |
| ROA | 7.01% | – | – | – | – |
| 自己資本比率 | 70.1% | – | – | – | – |
過去数年間の売上高は増加傾向にあり、2024年12月期も増収となっています。営業利益、経常利益も増加傾向にありましたが、2024年12月期は減益となっています。自己資本比率は高く、財務体質は良好です。ROE、ROAも高い水準を維持しており、収益性も高いと言えます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.19%
- 1株配当（会社予想）: 75.00円（株式分割後）
- 配当性向: 29.15%
安定した配当を実施しており、配当利回りも魅力的です。2025年12月期は株式分割を予定しており、1株配当は75円となる見込みです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い優勢の状況です。
* 年初来高値: 3,060円
* 年初来安値: 1,955円
11. 総評
建設技術研究所は、国内インフラ需要と海外展開を両輪に、安定した成長を続けています。財務状況も良好で、高い収益性と株主還元も魅力です。株価は割安な水準にあり、今後の業績拡大への期待も高まります。ただし、公共事業への依存度が高いことや、海外事業のリスクなど、注意すべき点もあります。総合的に見て、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 9621 |
| 企業名 | 建設技術研究所 |
| URL | http://www.ctie.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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