1. 企業情報
扶桑化学工業は、リンゴ酸などの果実酸類で世界トップシェアを誇る化学メーカーです。半導体ウエハ研磨剤の原料となる超高純度コロイダルシリカも手掛けており、電子材料分野でも強みを持っています。事業は、ライフサイエンス（食品添加物、医薬品原料など）と電子材料・機能性化学品に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: リンゴ酸の世界トップシェア、半導体関連材料での高い技術力と市場での地位が強みです。
- 課題: 原材料価格の変動や、半導体市場の需要変動による影響を受けやすい可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画の詳細な内容は開示されていませんが、増収増益を目指し、各事業分野での成長を図っていると考えられます。
- 重点分野: ライフサイエンス事業では、食品用途に加え、工業用途や医薬品・日用品用途での需要回復を目指しています。電子材料・機能性化学品事業では、半導体市場の回復を背景に、主力製品である超高純度コロイダルシリカの販売拡大に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: ライフサイエンス分野では、安定した需要が見込める食品添加物などの製品が収益の柱となっています。電子材料分野は、半導体市場の動向に左右されますが、技術革新と需要の増加により成長の余地があります。
- 市場ニーズへの適応力: ライフサイエンス分野では、多様な顧客ニーズに対応できる製品開発力、電子材料分野では、半導体技術の進化に対応した製品開発力が求められます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 超高純度コロイダルシリカなどの電子材料分野での技術開発が重要です。
- 主力製品: リンゴ酸とその誘導体、超高純度コロイダルシリカが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER（会社予想）: 11.50倍（業界平均20.4倍）
- PBR（実績）: 1.24倍（業界平均1.1倍）
- EPS（会社予想）: 314.86円
- BPS（実績）: 2,908.42円
- 現在の株価3,605円は、EPS、BPSから見て割安感はありません。
7. テクニカル分析
- 直近10日間の株価は3,530円～3,655円の範囲で推移しており、200日移動平均線3,667.25円を下回っています。
- 年初来高値5,260円、年初来安値3,140円。
- 50日移動平均線3,433.90円を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は684.6億円、2025年3月期第3四半期累計期間は524.2億円と、増収基調です。
- 営業利益: 2024年3月期は189.3億円、2025年3月期第3四半期累計期間は125.9億円と、大幅な増益となっています。
- ROE（実績）: 9.14%
- 自己資本比率（実績）: 71.1%
- その他: 過去12ヶ月の売上高は589.7億円、営業利益は110.8億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 2.02%
- 1株配当（会社予想）: 73.00円
- 配当性向は21.02%
- その他: 2024年3月期は66.00円の配当実績。2025年3月期は70.00円の配当を予想しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は、3,530円～3,655円の範囲で推移しており、やや上昇傾向です。
- 株価への影響要因: 業績、半導体市場の動向、為替レート、原材料価格などが影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向です。
11. 総評
扶桑化学工業は、リンゴ酸で世界トップシェア、半導体関連材料でも強みを持つ優良企業です。業績は好調で、増収増益を達成しています。財務体質も良好で、自己資本比率が高いです。株価は、PER、PBRから見て割安感はありませんが、上昇トレンドを示唆しています。今後の半導体市場の動向や、ライフサイエンス事業の成長が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4368 |
| 企業名 | 扶桑化学工業 |
| URL | http://www.fusokk.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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