1. 企業情報
東邦亜鉛は、亜鉛・鉛の製錬を主力とする企業です。鉛の分野では国内トップシェアを誇ります。近年は、豪州の鉱山からの撤退を進め、環境・リサイクル事業や電子材料分野にも注力し、事業構造の転換を図っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 鉛製錬で国内トップシェアを誇る一方、亜鉛製錬からは撤退。
- 競争優位性: 鉛製錬における長年の実績と技術力。
- 課題: 資源価格の変動、環境規制への対応、事業構造転換の成否。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 環境・リサイクル事業を強化し、社会インフラを支えるリサイクリングのリーディングカンパニーを目指しています。
- 中期経営計画:
- 高コストな亜鉛製錬事業の主要設備停止。
- 鉛・銀事業、環境・リサイクル事業を基盤事業とする。
- 電子部材事業を成長事業とする。
- 資源事業からの早期撤退。
- 重点分野: 環境・リサイクル事業、電子部材・機能材料事業。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 鉛製錬、環境・リサイクル事業、電子材料事業からの収益。
- 市場ニーズへの適応力: 環境問題への対応、資源循環への貢献が重要。事業構造転換が成功するかどうかが、持続可能性を左右する。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: 製錬技術、リサイクル技術の開発。
- 主力製品: 鉛、環境リサイクル製品、電子材料。
6. 株価の評価
- 株価: 660.0円（2025年3月27日終値）
- EPS (会社予想): -220.95円
- PER (会社予想): — (算出不能)
- BPS (実績): 214.39円
- PBR (実績): 3.08倍
- 評価: 業績悪化により、PERは算出不能。PBRは3倍を超えており、割高感がある。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、608円から674円の間を変動。200日移動平均線（780.04円）を下回っており、下落トレンドにある。
- 現在の株価: 52週安値（504円）から上昇しているものの、年初来高値（1,184円）からは大きく下落している。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は1308億円。
- 営業利益: 2024年3月期は-6.9億円と赤字。
- 当期純利益: 2024年3月期は-46.45億円と赤字。
- ROE: 2024年3月期は-174.55%と非常に低い。
- 自己資本比率: 2.5%と低い。
- キャッシュフロー: 決算短信からは詳細な情報が得られない。
- 評価: 業績は低迷しており、財務体質も脆弱。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 0.00%（会社予想）
- 1株配当: 0.00円（会社予想）
- 株主還元策: 現時点では配当は実施されていない。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 下落傾向。
- 直近の変動: 2025年3月27日の出来高は247,500株。
- 信用取引: 信用買い残は多く、信用倍率は6.52倍と高い。
- 株価への影響要因: 業績の回復、事業構造転換の進捗、金属価格の変動、為替相場の変動。
11. 総評
東邦亜鉛は、鉛製錬で国内トップシェアを誇るものの、業績は低迷しており、財務体質も脆弱です。事業構造転換を図っている最中であり、環境・リサイクル事業への注力や、資源事業からの撤退など、今後の動向が注目されます。株価は下落トレンドにあり、割高感もあります。投資にあたっては、事業再生計画の進捗、金属価格の変動、為替相場の変動などのリスク要因を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5707 |
| 企業名 | 東邦亜鉛 |
| URL | http://www.toho-zinc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
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