1. 企業情報

東京建物は、1896年創業の総合不動産会社です。主な事業は、オフィスビルや商業施設の賃貸、マンション分譲、シニア向け住宅、駐車場運営など多岐にわたります。旧安田財閥系の企業であり、安定した事業基盤を持っています。近年は、オフィスや物流施設などの収益物件の開発を強化しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

東京建物は、日本の不動産業界において中堅クラスの企業です。大手不動産会社と比較すると、事業規模は小さいものの、安定した収益基盤と、多様な事業ポートフォリオを有しています。

競争優位性:

  • 賃貸ビル事業における安定した収益
  • マンション分譲事業における実績
  • 多様な事業ポートフォリオによるリスク分散

課題:

  • 大手不動産会社との競争激化
  • 不動産市況の変動による業績への影響
  • 金利上昇による不動産投資への影響

3. 経営戦略と重点分野

東京建物の経営陣は、事業ポートフォリオの最適化、収益性の向上、財務基盤の強化などを目指していると考えられます。

中期経営計画の重点分野:

  • オフィスビル、物流施設などの収益物件の開発強化
  • マンション分譲事業の拡大
  • アセットサービス事業の強化
  • ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組み強化

4. 事業モデルの持続可能性

東京建物の事業モデルは、賃貸収入という安定的な収益源を基盤としており、一定の持続性があります。また、マンション分譲やアセットサービス事業など、複数の収益源を持つことで、リスク分散を図っています。

市場ニーズの変化への適応力:

  • テレワークの普及など、オフィス需要の変化に対応するため、多様なワークスペースの提供や、既存ビルのリノベーションなどを推進していく可能性があります。
  • 高齢化社会に対応するため、シニア向け住宅事業を強化していく可能性があります。
  • 物流施設の需要増加に対応するため、物流施設開発を加速していく可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

東京建物は、技術革新に関する具体的な情報開示は少ないですが、建物の省エネ化や、スマートビルの開発など、環境性能の高い建物の開発を推進している可能性があります。

主力製品・サービス:

  • オフィスビル賃貸
  • マンション分譲
  • 物流施設
  • 商業施設
  • アセットサービス(プロパティマネジメント、ビルメンテナンスなど)

6. 株価の評価

  • 株価: 2,640.5円(2025年3月27日終値)
  • PER(会社予想): 10.02倍(業界平均13.6倍)
  • PBR(実績): 1.03倍(業界平均1.6倍)
  • EPS(会社予想): 263.44円
  • BPS(実績): 2,567.66円

PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。EPS、BPSから見ても、現在の株価は割安と判断できます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月27日の終値は2,640.5円であり、年初来高値2,774円に近づきつつあります。50日移動平均線(2,440.04円)と200日移動平均線(2,485.72円)を上回っており、上昇トレンドにあると考えられます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去12ヶ月で4,637億2,400万円と、前年同期比で増加しています。
  • 営業利益: 過去12ヶ月で796億7,000万円と、前年同期比で増加しています。
  • 当期純利益: 過去12ヶ月で658億8,200万円と、前年同期比で大幅に増加しています。
  • ROE(実績): 12.76%
  • ROA(過去12か月): 2.50%

売上高、利益ともに増加傾向にあり、業績は好調です。ROEも12.76%と高く、効率的な経営が行われていることがわかります。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.67%
  • 1株配当(会社予想): 97.00円
  • 配当性向: 30.11%
  • 自社株買い: 情報なし

配当利回りは3.67%と、ある程度の水準を維持しています。配当性向も30.11%と、安定した配当が期待できます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動: 過去10日間の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは強いと考えられます。
  • 株価への影響要因:
    • 業績の好調さ
    • 不動産市況の動向
    • 金利の動向
    • 今後のイベント: 2025年5月7日~12日に決算発表予定

11. 総評

東京建物は、安定した収益基盤と、多様な事業ポートフォリオを持つ総合不動産会社です。業績は好調であり、株価は割安感があります。テクニカル的にも上昇トレンドにあり、今後の成長も期待できます。ただし、不動産市況や金利の変動など、外部環境の影響を受けやすい点には注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 8804
企業名 東京建物
URL https://tatemono.com/
市場区分 プライム市場
業種 不動産 – 不動産業

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