1. 企業情報

DIC株式会社は、印刷インキで世界首位を誇る化学メーカーです。インキに加え、有機顔料、合成樹脂、液晶材料、高機能材料など、幅広い製品を提供しています。事業は、パッケージング&グラフィック、カラー&ディスプレイ、ファンクショナルプロダクツの3つのセグメントで構成されています。

2. 業界のポジションと市場シェア

DICは、印刷インキの世界市場で高いシェアを占めており、競争優位性を持っています。また、樹脂や機能性顔料の分野でも強みを発揮しています。

課題:

  • 原材料価格の変動や、競合他社との価格競争の影響を受けやすい可能性があります。
  • 市場ニーズの変化に迅速に対応し、新製品を開発していく必要があります。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣のビジョン:

  • 「ケミトロニクス製品」の拡大を目指し、化学と電子技術を融合した製品の開発を推進しています。
  • 液晶材料や高機能材料などの成長分野への注力も行っています。

中期経営計画:

  • 詳細な中期経営計画は公開されていませんが、成長分野への投資や、事業ポートフォリオの見直しなどが考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル:

  • 印刷インキや顔料などの高付加価値製品の販売が収益の柱です。
  • 液晶材料や高機能材料などの成長分野への投資により、収益の多様化を図っています。

市場ニーズの変化への適応力:

  • 環境対応製品の開発や、デジタル印刷技術への対応など、市場ニーズの変化に対応するための取り組みを行っています。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向:

  • 環境負荷低減技術や、高機能材料の開発に注力しています。
  • 研究開発費を積極的に投入し、技術革新を推進しています。

主力製品:

  • 印刷インキ
  • 有機顔料
  • 合成樹脂
  • 液晶材料
  • 高機能材料

6. 株価の評価

  • 株価: 3,168.0円
  • PER(会社予想): 12.50倍 (業界平均: 20.4)
  • PBR(実績): 0.75倍 (業界平均: 1.1)
  • EPS(会社予想): 253.48円
  • BPS(実績): 4,239.67円

評価:

  • PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があります。
  • EPS、BPSから、企業の収益性と資産価値が評価できます。

7. テクニカル分析

  • 株価推移:
    • 年初来高値: 3,689円
    • 年初来安値: 2,378円
    • 50日移動平均: 3,287.42円
    • 200日移動平均: 3,227.42円
  • 直近の株価は、50日移動平均を下回っていますが、200日移動平均線付近で推移しており、底堅さも見られます。

8. 財務諸表分析

売上高:

  • 過去12ヶ月の売上高は1兆711億円で、前期比で増加しています。

利益:

  • 営業利益は445億円で、前期の179億円から大きく改善しています。
  • 当期純利益は213億円で、前期の399億円の赤字から黒字転換しています。

キャッシュフロー:

  • 営業キャッシュフローは462億円です。
  • フリーキャッシュフローは223億円です。

ROE(実績): 5.57%
ROA(過去12か月): 2.25%
自己資本比率(実績): 32.7%

評価:

  • 売上高、利益ともに改善傾向にあり、業績は回復基調にあります。
  • ROEは5%台と、更なる向上が期待されます。
  • 自己資本比率は30%を超えており、財務基盤は安定しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 3.16%
  • 1株配当(会社予想): 100.00円
  • 配当性向: 44.42%

評価:

  • 高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
  • 配当性向は40%台であり、安定した配当が期待できます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動:
    • 直近10日間の株価は、3,163円から3,271円の間を変動しています。
    • 2025年3月28日の終値は3,168円で、前日終値(3,218円)から下落しています。
  • 信用取引:
    • 信用買い残は増加傾向にあり、個人投資家の関心が高いことが伺えます。
    • 信用倍率は9.66倍と、良好な状態です。

株価への影響要因:

  • 業績動向
  • 原材料価格の変動
  • 為替レートの変動
  • 市場全体の動向

11. 総評

DICは、印刷インキで世界首位を誇る優良企業であり、業績も回復基調にあります。株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。今後は、成長分野への投資や、ケミトロニクス製品の拡大など、更なる成長が期待されます。
* 現時点では、割安感があり、業績も回復基調にあることから、買いを検討する余地があります。
* ただし、今後の業績動向や、市場全体の動向を注視する必要があります。
* 財務諸表の分析から、安定した財務基盤を持っていることがわかります。
* テクニカル分析からは、200日移動平均線付近で推移しており、底堅さが見られます。

リスク:

  • 原材料価格の変動
  • 競合他社との価格競争
  • 市場ニーズの変化への対応
  • 世界経済の減速

本レポートは、情報提供を目的としており、投資助言を行うものではありません。投資判断は、ご自身の責任において行ってください。


企業情報

銘柄コード 4631
企業名 DIC
URL https://www.dic-global.com/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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