1. 企業情報
相模ゴム工業は、コンドームを主力製品とするヘルスケア製品メーカーです。主な事業は、コンドームの製造・販売であり、国内市場で高いシェアを誇ります。また、事務用・食品包装用フィルムなどのプラスチック製品も手掛けています。マレーシアに生産拠点を持ち、中国や東南アジアなどへの輸出も行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
相模ゴム工業は、コンドーム市場において国内トップクラスのシェアを占めています。競合他社との差別化として、ポリウレタン製コンドーム「サガミオリジナル」などの高付加価値製品を展開しています。
競争優位性:
- 高シェアによるブランド力
- 独自技術（ポリウレタン製コンドーム）
- 海外展開
課題:
- 少子化による国内市場の縮小
- 原材料価格の変動リスク
- 競合他社との価格競争
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 詳細な情報は開示されていませんが、中期経営計画や決算短信から、ヘルスケア事業の強化、プラスチック製品事業の収益性改善、海外市場の開拓などが推測されます。
中期経営計画の施策:
- ヘルスケア事業：サガミオリジナルのPR活動強化、新製品の開発
- プラスチック製品事業：採算性の向上、高付加価値製品の開発
- コスト削減、生産効率の改善
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- コンドームを中心としたヘルスケア製品の販売
- プラスチック製品の販売
市場ニーズの変化への適応力:
- 少子化の影響を受けやすいものの、性感染症予防への意識の高まりや、高付加価値製品の開発により、一定の需要を維持しています。
- プラスチック製品事業は、食品包装用フィルムなど、安定した需要が見込める分野への注力が必要です。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- ポリウレタン製コンドーム「サガミオリジナル」は、同社の技術力の象徴です。
- プラスチック製品分野でも、高機能フィルムの開発など、技術革新に取り組んでいます。
収益を牽引している製品やサービス:
- コンドーム（特にサガミオリジナル）
- プラスチック製品（食品包装用フィルムなど）
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: 27.63円
PER（会社予想）: 33.48倍
PBR（実績）: 0.94倍
現在の株価: 925.0円
株価評価:
- PERは、業界平均（8.5倍）と比較して割高です。
- PBRは、業界平均（0.6倍）と比較して割高です。
- EPSと現在の株価から計算すると、割高感があります。
7. テクニカル分析
株価推移:
- 直近10日間の株価は、902円から928円の間を変動しており、やや上昇傾向です。
- 年初来高値は1,217円、年初来安値は797円であり、現在の株価は年初来安値から上昇し、高値圏に近づいています。
- 50日移動平均線（941.24円）と200日移動平均線（984.54円）を下回っており、テクニカル的には弱気シグナルです。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は59.8億円、2023年3月期は59.8億円と、ほぼ横ばいでした。
- 直近四半期（2024年12月期）の売上高は44億円で、前年同期比8.6%減と減収となっています。
利益:
- 2024年3月期の営業利益は4.36億円、2023年3月期は6.61億円と減益でした。
- 直近四半期（2024年12月期）の営業利益は15百万円と、大幅な減益となっています。
- 2024年3月期の当期純利益は4095万円と、2023年3月期の6.73億円から大幅に減少しました。
- 直近四半期（2024年12月期）の親会社株主に帰属する四半期純利益は3.19億円と増益となっています。
キャッシュフロー:
- 詳細なキャッシュフローの情報は不足しています。
ROE（実績）:
- 直近12か月：0.98%と低水準です。
ROA（実績）:
- 直近12か月：0.24%と低水準です。
自己資本比率（実績）:
- 55.6%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 1.08%
1株配当（会社予想）: 10.00円
配当性向: 38.01%
* 配当利回りは、市場平均と比較して低めです。
* 安定した配当を実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動傾向:
- 直近10日間の株価は、小幅な上昇傾向です。
- 出来高は低調で、投資家の関心は低い可能性があります。
株価への影響を与える要因:
- 業績動向（特にヘルスケア事業の売上高と利益率）
- 原材料価格の変動
- 為替レートの変動
- 新製品の開発
- 市場全体の動向
11. 総評
相模ゴム工業は、コンドーム市場で高いシェアを持つ安定企業です。しかし、少子化や競合激化などの課題に直面しており、業績は変動しやすい状況です。
ポジティブな点:
- 国内トップシェア
- 高付加価値製品の展開
- 安定した財務基盤
ネガティブな点:
- 業績の変動
- 割高な株価指標
- 低い配当利回り
総合的な見解:
現在の株価は、PERやPBRなどの指標から割高感があります。業績の回復や、更なる成長戦略の具体化が確認できるまでは、慎重な投資判断が必要です。テクニカル的にも、移動平均線を下回っており、弱気シグナルが出ています。
企業情報
| 銘柄コード | 5194 |
| 企業名 | 相模ゴム工業 |
| URL | http://www.sagami-gomu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – ゴム製品 |
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