1. 企業情報
三井E&S株式会社は、船舶用推進システムや港湾物流システムを中心に事業を展開する企業です。主な事業セグメントは、成長事業推進、舶用推進システム、物流システム、周辺サービス、海洋開発です。船舶用エンジンでは国内首位であり、港湾クレーンでも世界的なシェアを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
三井E&Sは、船舶用エンジンで国内首位の地位を築いており、港湾クレーンでも世界的なシェアを誇ります。競争優位性としては、技術力と長年の実績が挙げられますが、造船事業からの撤退に伴う事業再編が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
三井E&Sは、「グリーン」と「デジタル」を切り口に、舶用推進事業と港湾物流事業を発展させる戦略を掲げています。中期経営計画「三井E&S Rolling Vision 2024」では、アンモニア燃料船の商用化や米国市場での港湾物流事業の展開を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
三井E&Sの事業モデルは、船舶用推進システムと港湾物流システムの需要に支えられています。市場ニーズの変化に対しては、技術開発や新製品の投入で対応していますが、造船事業からの撤退が収益構造に与える影響が懸念されます。
5. 技術革新と主力製品
同社は、アンモニア燃料船の商用化に向けた技術開発を進めており、三井-MAN B&Wエンジンの生産量累計1億2千万馬力達成など、技術革新に注力しています。主力製品は、船舶用エンジンと港湾クレーンです。
6. 株価の評価
現在の株価は1,740円で、予想EPSが376.66円、実績BPSが1,577.89円です。PERは4.62倍、PBRは1.10倍であり、業界平均のPER16.6倍、PBR1.4倍と比較して割安感があります。
7. テクニカル分析
直近の株価推移では、年初来高値2,898円、安値699円を記録しています。現在の株価は1,740円で、50日移動平均線1,684.04円、200日移動平均線1,442.20円を上回っており、上昇トレンドにあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高は過去12か月で301,875百万円。
- 営業利益は19,631百万円、純利益は25,051百万円。
- ROEは20.17%、自己資本比率は30.4%で、健全な財務状況です。
- 過去数年で売上と利益が回復傾向にあります。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当利回りは1.15%、1株当たり配当は20円。
- 配当性向は0.94%と低く、株主還元に積極的です。
- 自社株買いも実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価は直近で下落傾向にあり、出来高も高水準。
- 信用買残が減少し、売残が増加していることから、投資家の売り圧力が強まっている可能性があります。
11. 総評
三井E&Sは、船舶用推進システムと港湾物流システムで強みを持つ企業であり、技術革新と市場展開に注力しています。財務状況も健全であり、株価は業界平均に比べて割安感があります。ただし、造船事業からの撤退や市場環境の変化に対する対応が課題です。
企業情報
| 銘柄コード | 7003 |
| 企業名 | 三井E&S |
| URL | https://www.mes.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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