1. 企業情報
帝国通信工業は、可変抵抗器を主力とする電子部品メーカーです。主に自動車、ゲーム機、AV機器、家電製品などに使用される電子部品を提供しています。ブランド「ノーブル」で知られ、センサー分野にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
可変抵抗器の分野では老舗であり、一定のシェアを維持していると考えられます。競争環境としては、グローバルな電子部品メーカーや、同様の製品を提供する国内企業が存在します。競争優位性としては、長年の実績による技術力と、特定の顧客との強固な関係が挙げられます。課題としては、市場ニーズの変化への対応や、競合他社との価格競争が挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
2021年5月に策定した中期5ヵ年計画の4年目にあたります。2027年度完成目標の新本社ビル建替えを計画しています。
2025年3月期の通期業績予想を修正し、増収増益を見込んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデルは、電子部品の販売が中心であり、自動車電装市場、産業機器市場、生活家電市場、アミューズメント市場など、幅広い分野に製品を提供しています。市場ニーズの変化への適応力としては、センサー分野への注力や、多様な顧客への対応が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
主力製品は可変抵抗器であり、その技術開発は、製品の小型化、高精度化、耐久性向上などが中心と考えられます。収益を牽引しているのは、自動車、ゲーム、AV機器向けの製品です。
6. 株価の評価
- 株価: 2,471.0円
- PER（会社予想）: 13.81倍 (業界平均: 24.2)
- PBR（実績）: 0.86倍 (業界平均: 1.6)
- EPS（会社予想）: 178.95円
- BPS（実績）: 2,879.65円
PER、PBRともに業界平均を下回っており、割安感があると言えます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2464円から2563円の間を変動しています。2025年3月28日の終値は2471円であり、年初来高値3,285円からは下落、年初来安値1,767円からは上昇しています。50日移動平均線2385.18円、200日移動平均線2439.83円を上回っており、上昇トレンドにあると見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は152.24億円、2023年3月期は164.94億円と減少しています。
- 営業利益: 2024年3月期は9.47億円、2023年3月期は16.02億円と減少しています。
- 経常利益: 2024年3月期は18.51億円、2023年3月期は20.44億円と減少しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は13.63億円、2023年3月期は13.85億円とほぼ横ばいです。
- ROE（実績）: 5.25%
- ROA（過去12か月）: 2.78%
- 自己資本比率（実績）: 83.5%
売上高は減少傾向にありますが、自己資本比率は高く、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.05%
- 1株配当（会社予想）: 100.00円
- 2025年3月期第2四半期末に記念配当を実施しています。
高い配当利回りは、投資家にとって魅力的な要素です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2464円から2563円の間を変動しており、上昇基調にあります。信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い優勢の状況です。
株価への影響を与える要因としては、業績動向、配当政策、市場全体の動向などが挙げられます。
11. 総評
帝国通信工業は、可変抵抗器を主力とする電子部品メーカーであり、高い自己資本比率と高い配当利回りが魅力です。PER、PBRは割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドにあると見られます。
ただし、売上高の減少傾向や、業界の競争激化には注意が必要です。
今後の業績動向、特に自動車電装市場や産業機器市場の動向に注目し、長期的な視点での投資を検討することが望ましいと考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 6763 |
| 企業名 | 帝国通信工業 |
| URL | http://www.noble-j.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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