1. 企業情報
三協立山は、アルミ建材大手であり、住宅用サッシで国内3位のシェアを誇ります。主な事業は、住宅・ビル向けの建材、マテリアル事業（アルミ形材など）、商業施設事業など多岐にわたります。国内外での買収による成長戦略も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
三協立山は、アルミ建材業界において一定の地位を確立しています。特に住宅用サッシ分野での強みは、安定した収益基盤を支える要因となっています。
競争優位性:
- 住宅用サッシにおける高い国内シェア
- 多角的な事業展開によるリスク分散
課題:
- 原材料価格の変動リスク
- 建設需要の変動による業績への影響
- 国際事業における競争激化
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 国内外での事業拡大
- 新技術・新製品の開発
- 収益性の向上
中期経営計画:
- 詳細な中期経営計画の情報は開示されていませんが、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の各分野での成長を目指していると考えられます。
- 「住宅省エネ2024キャンペーン」など、政府の政策を活用した需要獲得も戦略の一つです。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 建材事業が主要な収益源であり、住宅需要やビル需要に左右されます。
- マテリアル事業は、アルミ地金市況の影響を受けます。
- 商業施設事業は、店舗の新規出店や改装需要に連動します。
市場ニーズの変化への適応力:
- 省エネ性能の高い建材の開発など、環境配慮型の製品への対応が重要です。
- デジタル技術を活用した製品開発や販売戦略も求められます。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向:
- 省エネ性能の高い窓やサッシの開発
- アルミ素材の軽量化、高強度化技術
- デザイン性の高い製品開発
主力製品:
- 住宅用サッシ
- ビル用建材
- アルミ形材
- 店舗什器
6. 株価の評価
- 株価: 608.0円（2025年3月31日終値）
- PER（会社予想）: 95.30倍（業界平均：17.5）
- PBR（実績）: 0.20倍（業界平均：0.7）
- EPS（会社予想）: 6.38円
- BPS（実績）: 3,046.75円
- 配当利回り（会社予想）: 4.11%
評価:
- PERは業界平均と比較して高く、割高感があります。
- PBRは低く、割安感があります。
- EPSは低く、業績の回復が待たれます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は、610円～637円の間を変動しており、3月31日は608円で取引を終えています。
- 年初来高値: 974円
- 年初来安値: 588円
- 50日移動平均: 603.62円
- 200日移動平均: 696.85円
分析:
- 株価は年初来安値に近い水準で推移しています。
- 50日移動平均線を下回っており、短期的な下落トレンドを示唆しています。
- 200日移動平均線も下回っており、中長期的な下落トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年5月期：353,027百万円
- 2023年5月期：370,385百万円
- 売上高は減少傾向にあります。
利益:
- 営業利益は、2023年5月期から2024年5月期にかけて減少しています。
- 当期純利益は、2024年5月期に赤字となっています。
その他の指標:
- ROE（実績）: -1.10%
- 自己資本比率（実績）: 33.2%
分析:
- 収益性の悪化が課題です。
- ROEがマイナスであり、資本効率が低い状況です。
- 自己資本比率は30%台を維持しており、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.11%
- 1株配当（会社予想）: 25.00円
- 配当性向: 136.99%
- Ex-Dividend Date: 2025年5月29日
分析:
- 高い配当利回りは魅力的ですが、業績悪化の中で配当を維持できるかが焦点となります。
- 配当性向が高く、今後の減配リスクに注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動: 下落傾向
- 信用取引: 買残が多く、売り残が少ないため、需給は悪化しています。
- 出来高: 106,600株
- 平均出来高（3ヶ月）: 84.21k
株価への影響要因:
- 業績の回復
- 原材料価格の変動
- 建設需要の動向
- 配当政策
11. 総評
三協立山は、アルミ建材業界で一定の地位を確立していますが、業績は低迷しており、株価は割高感があります。テクニカル面でも下落トレンドが続いており、投資には注意が必要です。
強み:
- 住宅用サッシにおける高い国内シェア
- 高い配当利回り
弱み:
- 業績の悪化
- PERの高さ
- ROEの低さ
- 株価の下落トレンド
現時点では、業績の回復と今後の動向を注視する必要があると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 5932 |
| 企業名 | 三協立山 |
| URL | http://www.st-grp.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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