1. 企業情報
株式会社ヤマタネは、1924年創業の老舗企業で、主に以下の事業を展開しています。
* 物流関連事業: 倉庫、貨物取扱、通関、港湾・輸送サービスなど、幅広い物流サービスを提供しています。都市型倉庫や文書保管に強みを持っています。
* 食品関連事業: 米穀卸売を主力とし、M&Aを通じて食品事業を拡大しています。
* 情報関連事業: コンピュータソフトウェアの開発・販売、情報機器の販売・レンタル、システム運用管理などを行っています。
* 不動産関連事業: 不動産の賃貸、管理、売買を行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ヤマタネは、倉庫準大手として、物流業界において一定の地位を確立しています。特に、都市型倉庫や文書保管、米穀卸売において強みを持っています。食品事業の拡大も進めており、今後の成長が期待されます。
競争優位性:
- 長年の事業経験と顧客基盤
- 都市型倉庫や文書保管といったニッチ分野での強み
- M&Aによる食品事業の拡大
課題:
- 物流業界における競争激化
- 市況変動の影響を受けやすい米穀卸売事業
- 人件費や燃料費などのコスト上昇
3. 経営戦略と重点分野
ヤマタネは、中期経営計画などの具体的な戦略は開示されていませんが、決算短信から以下の点が読み取れます。
* 事業多角化: 物流、食品、情報、不動産と多角的な事業ポートフォリオを構築しています。
* M&Aの活用: 食品事業の拡大にM&Aを活用しています。
* コスト管理: 効率的な経営を目指し、コスト管理を徹底しています。
重点分野:
- 物流事業における国内外の業務拡大
- 食品事業における販売価格への転嫁とショクカイとの連携
- 不動産事業における高稼働率の維持
4. 事業モデルの持続可能性
ヤマタネの事業モデルは、物流、食品、情報、不動産と多角化されており、リスク分散が図られています。
収益モデル:
- 物流事業：倉庫利用料、貨物取扱手数料、輸送サービス料など
- 食品事業：米穀卸売、加工食品卸売
- 情報関連事業：ソフトウェア販売、システム運用管理料など
- 不動産事業：賃料収入
市場ニーズの変化への適応力:
- 物流業界におけるIT化、自動化への対応
- 食品業界における消費者のニーズ変化への対応
- 不動産市況の変動への対応
5. 技術革新と主力製品
ヤマタネは、技術革新に関する具体的な情報は開示されていません。
主力製品・サービス:
- 倉庫サービス
- 米穀卸売
- 情報システム関連サービス
- 不動産賃貸
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 3,930円 |
| PER（会社予想） | 15.20倍 |
| PBR（実績） | 0.72倍 |
| 配当利回り | 2.29% |
| EPS（会社予想） | 258.47 |
| BPS（実績） | 5,428.56 |
| 業界平均PER | 12.1 |
| 業界平均PBR | 1.0 |
評価:
- PERは業界平均よりやや高い水準です。
- PBRは1倍を下回っており、割安感があります。
- 配当利回りは2%を超えており、安定的な配当が期待できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、3月31日の終値は3,930円であり、年初来高値4,210円には近づいていますが、まだ高値圏にあるとは言い切れません。50日移動平均線（3,780.30円）と200日移動平均線（3,393.78円）を上回っており、上昇トレンドにあると判断できます。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は645億1200万円と、前期比で26.2%増と大幅な増収となっています。
- 直近四半期（2024年12月期）の売上高は601億1800万円と、前年同期比30.7%増と好調です。
利益:
- 営業利益は、2024年3月期は34億8900万円と、前期比で0.7%減と微減となりました。
- 直近四半期（2024年12月期）の営業利益は28億500万円と、前年同期比4.1%増と増益に転じています。
- 当期純利益は、2024年3月期は24億4200万円と、前期比で12.7%増と増益となっています。
- 直近四半期（2024年12月期）の親会社株主に帰属する四半期純利益は22億5900万円と、前年同期比10.6%増と増益を維持しています。
その他の指標:
- ROE（実績）は5.07%と、まずまずの水準です。
- 自己資本比率は33.7%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）は2.29%です。
- 1株配当（会社予想）は90.00円です。
- 配当性向は40.96%です。
- 2025年3月期の年間配当は90円（中間配当50円、期末配当50円）を予定しています。
- 過去の配当実績から、安定的な配当を継続していることがわかります。
- 自社株買いの実施に関する情報は開示されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価は上昇傾向にあり、モメンタムは良好です。
- 信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向にあり、需給はやや良好です。
- 52週高値4,210円に近づいており、更なる上昇も期待できます。
- 主要株主には、日本マスタートラスト信託銀行、自社、HSBCなど、安定株主が多く含まれています。
11. 総評
ヤマタネは、物流、食品、情報、不動産と多角的な事業を展開し、安定した収益基盤を築いています。直近の業績は好調で、増収増益を達成しています。株価はPERで割高感があるものの、PBRは割安であり、配当利回りも魅力的です。テクニカル的にも上昇トレンドにあり、今後の成長にも期待できます。
総合的な見解:
- 注目点:
- 今後の業績推移
- M&Aによる食品事業の拡大
- 物流業界の動向
- 配当政策
企業情報
| 銘柄コード | 9305 |
| 企業名 | ヤマタネ |
| URL | https://www.yamatane.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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