1. 企業情報
東京産業（8070）は、三菱系の機械専門商社であり、機械、プラント設備、材料、工具、化学品などの販売を国内外で行っています。特に、環境・化学・機械分野、再生可能エネルギー、プラント設備に強みを持っています。中部以東の三菱重工業製品の受託販売・工事が主要な事業です。
2. 業界のポジションと市場シェア
東京産業は、機械商社として、三菱重工業製品を中心とした販売網を持ち、一定の市場シェアを占めていると考えられます。特に、再生可能エネルギーや環境関連分野への注力は、今後の成長の可能性を示唆しています。
競争優位性:
- 三菱重工業との強固な関係
- 再生可能エネルギー、環境関連分野への注力
課題:
- 景気変動の影響を受けやすい
- 特定の顧客や製品への依存度が高い可能性
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 詳細なビジョンは公開情報から明確に読み取れませんが、再生可能エネルギーや環境関連分野への注力から、持続可能な社会への貢献を目指していると考えられます。
中期経営計画:
- 2025年3月期の通期業績予想は、売上高730億円、営業利益16億円、親会社株主に帰属する当期純利益31億円、1株当たり当期純利益118.00円を予想しています。
- 電力事業、環境・化学・機械事業、生活産業事業の各セグメントで、それぞれの戦略を推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 三菱重工業製品の販売、プラント設備の建設・メンテナンス、環境関連製品の販売など、多角的な収益源を持っています。
- 再生可能エネルギー分野への投資は、将来的な成長の柱となる可能性があります。
市場ニーズの変化への適応力:
- 環境問題への関心の高まり、再生可能エネルギーへのシフトなど、市場ニーズの変化に対応できる事業ポートフォリオを構築しています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- 具体的な技術開発に関する情報は限定的ですが、再生可能エネルギー関連の設備や、環境関連設備の提供を通じて、技術革新に対応しています。
収益を牽引している製品やサービス:
- 電力事業（火力発電所向けメンテナンス、原子力関連業務、プラントメーカー向け設備納入）
- 環境・化学・機械事業（自動車関連業界向け案件）
- 生活産業事業（包装資材、トイレ自動流水器）
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: 61.40円
PER（会社予想）: 11.60倍
BPS（実績）: 760.89円
PBR（実績）: 0.94倍
* 現在の株価715円は、PER11.60倍、PBR0.94倍であり、業界平均PER12.1、業界平均PBR1.0と比較して、割安感があります。
* EPS、BPSから見て、割安な水準にあると考えられます。
7. テクニカル分析
- 直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月2日の終値は715円であり、年初来高値750円に近づいています。
- 50日移動平均線728.20円、200日移動平均線716.61円となっており、株価は移動平均線近辺で推移しています。
- 直近では、配当落ちの影響で株価が下落しましたが、その後回復傾向にあります。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年3月期は650.29億円、2023年3月期は654.47億円と、ほぼ横ばい。
- 2021年3月期は1130.30億円と高い水準であったが、その後減少傾向にある。
利益:
- 2024年3月期は営業損失4.54億円、当期純損失15.84億円と赤字。
- 2023年3月期は営業利益7.24億円、当期純損失49.60億円と赤字。
- 2022年3月期は営業利益2.43億円、当期純利益12.19億円と黒字。
キャッシュフロー:
- 詳細なキャッシュフローの情報は、現時点では入手できません。
ROE（実績）: -7.72%
ROA（過去12か月）: 1.65%
自己資本比率（実績）: 24.6%
* ROEはマイナスであり、収益性の改善が課題です。
* 自己資本比率は24.6%と、財務体質はやや脆弱です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 5.06%
1株配当（会社予想）: 36.00円
配当性向: 45.56%
* 高い配当利回りは魅力的ですが、業績の変動によっては減配のリスクもあります。
* 2025年3月期の中間配当は18.00円、期末配当も18.00円の予想です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は、配当落ちの影響を受けましたが、その後は上昇傾向にあります。
- 信用買残は減少、信用売残は増加しており、今後の株価動向に注意が必要です。
- 出来高は、平均よりもやや多い傾向にあります。
- 機関投資家による保有割合は9.85%と、それほど高くありません。
11. 総評
東京産業（8070）は、三菱系の機械専門商社として、安定した事業基盤を持っています。再生可能エネルギーや環境関連分野への注力は、将来的な成長の可能性を示唆しています。
ポジティブな点:
- 高い配当利回り
- 割安な株価指標（PER、PBR）
- 再生可能エネルギー、環境関連分野への注力
ネガティブな点:
- 過去の業績は赤字
- 低いROE
- 自己資本比率の低さ
- 信用取引の状況
総合的な見解:
東京産業は、高配当利回りで割安感があるものの、業績の不安定さ、財務体質の脆弱性、信用取引の状況など、注意すべき点も多くあります。投資を検討する際には、これらのリスクを十分に理解し、今後の業績動向を注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8070 |
| 企業名 | 東京産業 |
| URL | http://www.tscom.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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