1. 企業情報
ニプロ株式会社は、医療機器、医薬品、ファーマパッケージングの3つの主要事業を展開する企業です。医療関連事業では、注射・輸液製品、人工臓器製品、透析製品などを開発・製造・販売しています。医薬関連事業では、ジェネリック医薬品や受託製造を行い、ファーマパッケージング事業では医薬品包装容器やガラスチューブを提供しています。1947年に設立され、大阪府摂津市に本社を構えています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ニプロは使い捨て医療器具の大手企業であり、特に人工腎臓の分野で強みを持っています。医療業界の中で、競争優位性を維持するため、後発医薬品や受託製造の強化を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
ニプロは、医療関連製品の販売拡大と透析関連製品の増産体制の構築を戦略の柱としています。また、ジェネリック医薬品の販売強化や増産体制の強化を進めています。ファーマパッケージング事業では、滅菌済シリンジの生産体制整備や新商品の開発に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
ニプロの収益モデルは、医療機器や医薬品の需要に依存しています。市場ニーズの変化に迅速に対応するため、製品の多様化や生産体制の強化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
技術開発においては、透析関連製品や注射・輸液製品の強化を図っています。これらの製品は、ニプロの収益を牽引する主力製品です。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 1,333.5円
- 予想EPS: 96.88円
- 予想PER: 13.76倍
- 実績BPS: 1,430.09円
- 実績PBR: 0.93倍
業界平均PER（21.1倍）やPBR（1.8倍）と比較すると、ニプロの株価は割安と考えられます。
7. テクニカル分析
株価は、年初来高値1,504円と安値1,306円の間で推移しています。現在の株価は1,333.5円で、安値圏に位置しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高は増加傾向にあり、2024年3月期は586,785百万円。
- 営業利益は減少傾向で、2024年3月期は22,335百万円。
- ROEは5.06%、自己資本比率は21.0%と、財務の健全性に課題があります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 2.40%
- 1株配当: 32.00円
- 配当性向: 97.93%
株主還元策として自社株買いも実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降傾向にありますが、出来高は増加しており、投資家の関心は高まっています。
11. 総評
ニプロ株式会社は、医療関連製品の強化を図りつつ、事業の多角化を進めています。財務の健全性には課題があるものの、株価は業界平均と比較して割安に見えます。今後の業績改善に向けた取り組みが注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8086 |
| 企業名 | ニプロ |
| URL | http://www.nipro.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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