1. 企業情報
テノックス（1905）は、東京証券取引所スタンダード市場に上場している建設基礎工事大手です。テノコラム工法などの独自工法を強みとし、公共事業から民間建築まで幅広い分野で事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
テノックスは、建設基礎工事業界において、独自工法を持つことで一定の競争優位性を築いています。公共事業と民間建築の両方に対応できる点は強みですが、建設業界全体が人手不足や資材価格の高騰などの課題に直面しており、これらの影響を受けやすいと考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
テノックスは、新中期経営計画の初年度を迎えています。詳細な計画内容は開示されていませんが、建設需要が底堅く推移している状況を踏まえ、事業拡大を目指していると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
テノックスの収益モデルは、建設需要に大きく依存します。建設需要は景気や公共投資に左右されやすいため、市場ニーズの変化への対応が重要です。独自工法の開発や、民間建築分野の開拓は、事業の持続可能性を高めるための取り組みと言えるでしょう。
5. 技術革新と主力製品
テノックスは、テノコラム工法など、独自の工法を主力としています。これらの工法は、同社の競争力の源泉となっています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,091.0円（2025年4月2日終値）
- PER（会社予想）: 9.61倍 (業界平均: 11.3)
- PBR（実績）: 0.57倍 (業界平均: 0.7)
- EPS（会社予想）: 113.52円
- BPS（実績）: 1,929.72円
- 配当利回り（会社予想）: 4.58%
現在の株価は、予想EPSと実績BPSから見て、割安感があります。PERは業界平均を下回っており、PBRも1倍を大きく下回っています。配当利回りも4%を超えており、株主還元にも積極的な姿勢を示しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月28日に権利落ちがあり、株価が大きく変動しています。足元では1,100円前後で推移しており、年初来安値（1,087円）に近い水準です。50日移動平均線（1,151.70円）と200日移動平均線（1,146.77円）を下回っており、下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で202億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で5.2億円と、前期から減少しています。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で3.88億円と、前期から減少しています。
- ROE（実績）: 3.18%
- ROA（実績）: 4.03%
- 自己資本比率（実績）: 64.5%
売上高は増加しているものの、利益は減少傾向にあります。ROE、ROAは低く、収益性の改善が課題です。自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
四半期決算（2025年3月期 第3四半期）
- 売上高は前年同期比25.2%増の188.6億円
- 営業利益は前年同期比228.0%増の10.3億円
- 経常利益は前年同期比191.3%増の10.4億円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比132.1%増の6.6億円
四半期決算では、売上高、利益ともに大幅な増加を達成しており、業績は回復傾向にあります。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 4.58%
- 1株配当（会社予想）: 50.00円
- 配当性向: 54.95%
テノックスは、高い配当利回りを維持しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買残は増加傾向にあり、今後の株価動向に注目が集まっています。
11. 総評
テノックスは、独自の工法を強みとする建設基礎工事会社です。現在の株価は割安感があり、高い配当利回りも魅力的です。ただし、業績は変動しやすく、直近の株価は下落傾向にあるため、今後の動向を注視する必要があります。四半期決算では業績が回復傾向にあり、今後の成長に期待できます。投資を検討する際には、建設業界の動向や、同社の経営戦略、財務状況などを総合的に判断する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1905 |
| 企業名 | テノックス |
| URL | http://www.tenox.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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