1. 企業情報

日本ケミコンは、アルミ電解コンデンサで世界シェア首位を誇る電子部品メーカーです。コンデンサを中心に、精密機械部品や電子機器も製造・販売しています。車載用キャパシタに注力しており、アルミ電解箔技術も強みとしています。

2. 業界のポジションと市場シェア

アルミ電解コンデンサ市場において、世界トップシェアを誇るリーディングカンパニーです。一貫生産体制による競争力と、車載用キャパシタへの注力は、今後の成長ドライバーとなる可能性があります。

課題:

  • 世界経済の減速や市況変動の影響を受けやすい。
  • 競合他社との価格競争。

3. 経営戦略と重点分野

経営ビジョン:

  • 車載用キャパシタへの注力
  • 高付加価値製品の開発・販売
  • 不採算品の生産終息による収益性改善

中期経営計画:

  • 詳細な中期経営計画の情報は、今回のデータからは読み取れません。

4. 事業モデルの持続可能性

収益モデル:

  • アルミ電解コンデンサを主力とし、車載、産業機器、ICT市場向けに製品を供給。
  • 高付加価値製品へのシフトによる収益性向上を目指す。

市場ニーズへの適応力:

  • 車載用キャパシタなど、成長市場への対応を進めている。
  • ICT市場のデータセンター投資や生成AIサーバー需要の増加に対応。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向:

  • アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体コンデンサ、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサなどの開発・製造。
  • ハイブリッドコンデンサ専用の新製造棟稼働。

主力製品:

  • アルミ電解コンデンサ

6. 株価の評価

  • 株価: 858.0円 (2025年4月3日)
  • PER (会社予想): 30.51倍 (業界平均: 24.2)
  • PBR (実績): 0.34倍 (業界平均: 1.6)
  • EPS (会社予想): 28.09円
  • BPS (実績): 2,531.18円

分析:

  • PERは業界平均を上回っており、割高感があります。
  • PBRは業界平均を大きく下回っており、割安感があります。
  • EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割安と判断できますが、業績の回復が前提となります。

7. テクニカル分析

  • 株価推移: 直近10日間の株価は下落傾向にあり、200日移動平均線を大きく下回っています。
  • 年初来高値: 1,055円
  • 年初来安値: 818円
  • 50日移動平均: 935.74円
  • 200日移動平均: 1124.60円

分析:

  • 株価は下落トレンドにあり、短期的な上昇の兆しは見られません。
  • 50日、200日移動平均線を大きく下回っており、テクニカル的には弱気な状況です。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 2024年3月期は161,881百万円から150,740百万円へ減少。
  • 営業利益: 2023年3月期は12,940百万円から2024年3月期は9,423百万円へ減少。
  • 当期純利益: 2023年3月期は2,273百万円から2024年3月期は-21,291百万円と赤字転落。
  • ROE (実績): -41.20%
  • ROA (過去12か月): 1.68%
  • 自己資本比率 (実績): 30.7%

分析:

  • 売上高は減少傾向にあり、業績は悪化しています。
  • 営業利益、当期純利益も減益または赤字となっており、収益性の低下が顕著です。
  • ROEはマイナスであり、効率的な経営が行われていない状況です。
  • 自己資本比率は30.7%と、財務基盤は安定しているとは言えません。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り (会社予想): 0.00%
  • 1株配当 (会社予想): 0.00円
  • 配当性向: 0.00%
  • 自社株買い: 情報なし

分析:

  • 無配当であり、株主還元は行われていません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の直近の変動: 下落傾向
  • 信用取引: 買い残は減少、売り残は増加しており、信用倍率は4.53倍と高水準。
  • 出来高: 40,800株

分析:

  • 株価は下落トレンドにあり、モメンタムは弱いです。
  • 信用倍率が高いことから、今後の株価変動には注意が必要です。

11. 総評

日本ケミコンは、アルミ電解コンデンサで世界トップシェアを誇る企業ですが、直近の業績は低迷しています。売上高の減少、利益の悪化、赤字転落など、厳しい状況です。株価は下落トレンドにあり、テクニカル的にも弱気な状況です。PERは割高感があり、PBRは割安感があります。配当は出ておらず、株主還元も期待できません。
現時点では、業績の回復が見られないため、様子見が無難と考えられます。今後の業績動向、特に車載用キャパシタ市場の成長や、高付加価値製品へのシフトが成功するかどうかを注視する必要があります。


企業情報

銘柄コード 6997
企業名 日本ケミコン
URL http://www.chemi-con.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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