1. 企業情報
株式会社タカミヤは、建設用仮設機材のレンタル・販売を主軸とする企業です。主な事業内容は、足場や支保工などの仮設機材のレンタルと販売、および関連するサービス提供です。近年では、次世代足場や制震、農業分野への展開も行っており、事業の多角化を進めています。海外展開も行っており、韓国やベトナムに生産拠点を有しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
タカミヤは、建設用仮設機材レンタル業界の大手企業の一つです。足場分野を中心に強みを持っており、特に新型足場への注力や、プラットフォーム事業への展開を通じて、競争優位性を確立しようとしています。
課題: 建設業界全体の景気変動の影響を受けやすく、市況に左右されやすい事業構造です。また、競合他社との価格競争も激化する可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
経営ビジョン: 中期経営計画2024-2026において、「タカミヤプラットフォームとDXで新たな価値を創造し、業界初の足場プラットフォーム企業へ」というビジョンを掲げています。
重点分野:
- プラットフォーム事業の強化: IQシステムなどの次世代足場や、OPE-MANEなどの運用マネジメントサービスの拡大。
- DX推進: デジタル技術を活用した業務効率化や、顧客サービスの向上。
- 海外事業の拡大: 韓国、ベトナムを中心とした海外展開の強化。
- アグリ事業の育成: 農業分野への参入を強化。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル: 仮設機材のレンタル収入が中心であり、安定した収益基盤を築いています。販売事業や、プラットフォーム事業の拡大も収益向上に貢献しています。
市場ニーズへの適応力: 建設業界の需要に左右されるため、景気変動の影響を受けやすいです。しかし、新型足場やプラットフォーム事業への展開は、新たな収益源となり、持続可能性を高める可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 次世代足場であるIQシステムや、OPE-MANEなどの運用マネジメントサービスなど、安全性と効率性を追求した製品・サービスの開発に注力しています。
主力製品:
- IQシステム: 次世代足場。
- YTロックシステム: 法面用足場など。
- G Walk: 落下防止対策が施されたキャットウォーク。
- OPE-MANE: IQシステムの運用マネジメントサービス。
6. 株価の評価
- 株価: 375.0円（2025年4月3日終値）
- EPS (1株あたり当期純利益): 28.46円 (過去12ヶ月)
- PER (株価収益率): 13.18倍 (375 / 28.46)
- BPS (1株あたり純資産): 473.36円 (直近四半期)
- PBR (株価純資産率): 0.79倍 (375 / 473.36)
- 業界平均PER: 17.0
- 業界平均PBR: 1.8
PERは業界平均を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、372円から407円の間を変動しており、下落傾向にあります。52週高値は563円、52週安値は372円であり、現在の株価は52週安値に近い水準です。50日移動平均線は405.84円、200日移動平均線は430.45円であり、株価は両移動平均線を下回っています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去5年間で増加傾向にありましたが、直近12ヶ月では441億2700万円と、前期比で増加しています。
営業利益: 2024年3月期は34億5000万円と、前期比で増加しています。
当期純利益: 2024年3月期は18億8700万円と、前期比で増加しています。
ROE (自己資本利益率): 4.54% (過去12ヶ月)
ROA (総資産利益率): 2.10% (過去12ヶ月)
直近の四半期決算（2024年4月～12月）:
- 売上高：323億3500万円（前年同期比0.5%増）
- 営業利益：13億1600万円（前年同期比45.3%減）
- 経常利益：12億900万円（前年同期比52.1%減）
- 親会社株主に帰属する四半期純利益：8億6700万円（前年同期比49.8%減）
円安の進行、子会社の役員退職慰労引当金の見直し、先行投資による人件費、減価償却費の増加により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益が減少しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.69% (年間14円配当)
- 配当性向: 49.16%
- 自社株買い: 株式給付信託(BBT-RS)による自己株式の取得を実施。
- 2025年3月期の配当予想: 年間16円（普通配当8円、設立55周年記念配当2円）
安定した配当を実施しており、増配も予定されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動: 直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
信用取引: 信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い方の姿勢が強いです。
株価への影響要因: 建設業界の動向、円安の進行、金利上昇、原材料価格の変動などが影響を与える可能性があります。
11. 総評
タカミヤは、建設用仮設機材レンタル業界の大手企業であり、安定した収益基盤を持っています。新型足場への注力や、プラットフォーム事業への展開など、成長戦略も明確です。
ポジティブな点:
- PER、PBRともに割安感がある。
- 安定した配当と増配の可能性。
- プラットフォーム事業など、新たな成長分野への取り組み。
ネガティブな点:
- 建設業界の景気変動の影響を受けやすい。
- 直近の四半期決算では、営業利益、経常利益、当期純利益が減少。
- 円安、金利上昇などの外部環境リスク。
総合的な見解:
現在の株価は割安であり、配当利回りも魅力的です。しかし、直近の業績悪化や、外部環境リスクも考慮する必要があります。投資判断にあたっては、今後の業績動向や、経営戦略の進捗を注視し、リスク管理を徹底することが重要です。
企業情報
| 銘柄コード | 2445 |
| 企業名 | タカミヤ |
| URL | https://www.takamiya.co/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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