1. 企業情報
丸三証券は、1907年創業の独立系証券会社です。日本生命との親密な関係があり、対面営業を主体としています。主な事業は、金融商品の売買、引受、販売、および投資信託の販売です。特に投資信託の堅実な販売に注力し、顧客からの安定的な収益確保を目指しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
丸三証券は、独立系証券会社として、大手証券会社とは異なる顧客基盤とビジネスモデルを持っています。対面営業を重視することで、顧客との長期的な関係を構築し、安定した収益基盤を築いています。
競争優位性:
- 独立系であることによる柔軟な経営判断
- 日本生命との連携による顧客基盤
- 対面営業を通じた顧客との信頼関係
課題:
- 対面営業中心のため、店舗運営コストが高い
- デジタル化への対応の遅れ
- 市場変動による業績への影響を受けやすい
3. 経営戦略と重点分野
丸三証券は、投資信託の販売を強化し、顧客からの安定的な収益を確保することに重点を置いています。また、顧客ニーズに応じた多様な金融商品の提供を通じて、収益基盤の強化を図っています。
中期経営計画:
- 詳細な中期経営計画は公開されていませんが、投資信託の販売強化、顧客基盤の拡大、デジタル化への対応などが重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
丸三証券の収益モデルは、手数料収入に大きく依存しています。投資信託の販売や株式売買手数料が主な収入源であり、市場の変動や顧客の取引状況に業績が左右されやすい傾向があります。
市場ニーズの変化への適応力:
- デジタル化への対応が遅れているため、オンライン取引の拡大や、FinTechを活用したサービスの提供など、変化への対応が課題です。
5. 技術革新と主力製品
丸三証券は、具体的な技術革新に関する情報は公開されていません。主力製品は、投資信託であり、顧客のニーズに合わせた多様な商品を提供しています。
6. 株価の評価
EPS（1株あたり利益）: 直近12ヶ月の希薄化後EPSは51.18円です。
PER（株価収益率）: 株価872円 ÷ EPS 51.18円 = 約17.04倍
BPS（1株あたり純資産）: 直近四半期のBPSは748.19円です。
PBR（株価純資産倍率）: 株価872円 ÷ BPS 748.19円 = 約1.16倍
業界平均との比較:
- 業界平均PER: 13.3倍
- 業界平均PBR: 1.0倍
丸三証券のPERは業界平均よりも高く、PBRは業界平均よりも高い水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価履歴を見ると、株価は900円台で推移していましたが、直近では下落傾向にあります。50日移動平均線（987.42円）と200日移動平均線（991.14円）を下回っており、短期的な下落トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月の売上高は196.6億円で、前年同期比で増加しています。
営業利益: 過去12ヶ月の営業利益は39.01億円で、前年同期比で増加しています。
純利益: 過去12ヶ月の純利益は30.88億円で、前年同期比で増加しています。
ROE（自己資本利益率）: 過去12ヶ月のROEは6.94%です。
ROA（総資産利益率）: 過去12ヶ月のROAは3.75%です。
キャッシュフロー:
- キャッシュフローに関する詳細なデータは、この情報からは得られません。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り: 3.88%（直近12ヶ月の配当実績に基づく）
配当性向: 68.35%
自社株買い: 過去のデータからは、自社株買いに関する情報は得られません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。信用買い残は減少し、信用売り残も減少しています。
株価への影響を与える要因:
- 株式市場全体の動向
- 投資信託の販売状況
- 顧客の取引状況
- デジタル化への取り組み
11. 総評
丸三証券は、独立系証券会社として、対面営業を主体とし、投資信託の販売に強みを持っています。業績は、市場環境や顧客の取引状況に左右されやすいものの、直近の業績は好調です。株価は、PER、PBRともに業界平均よりも高い水準にあります。テクニカル面では、短期的な下落トレンドを示唆しています。
現時点では、株価は割高感があり、テクニカル面でも下落傾向にあるため、慎重な判断が必要です。今後の株価の動向や、デジタル化への取り組み、市場環境の変化などを注視する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8613 |
| 企業名 | 丸三証券 |
| URL | http://www.marusan-sec.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 金融（除く銀行） – 証券、商品先物取引業 |
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