1. 企業情報
株式会社キッツは、バルブ（弁）を主力製品とする総合バルブメーカーです。建設、プラント向けに強みを持ち、国内シェア首位を誇ります。その他、伸銅品（真鍮棒など）の製造・販売も行っています。海外展開も積極的に行っており、グローバルな事業展開を進めています。
2. 業界のポジションと市場シェア
キッツは、国内の総合バルブメーカーとして首位の地位を確立しています。建設設備、石油化学分野に強みを持ち、安定した需要を確保しています。競争優位性としては、長年の実績と技術力、幅広い製品ラインナップ、強固な顧客基盤が挙げられます。課題としては、原材料価格の変動や、海外競合との競争激化などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
キッツは、第2期中期経営計画「SHIN Global 2027」において、「収益性と成長性の両立」を掲げ、ROIC×ESG経営の実現を目指しています。具体的には、国内外のデータセンターや都市開発、次世代エネルギー事業などの需要を取り込み、事業基盤を強化する方針です。また、高付加価値品や新材質製品の販売拡大、歩留まり向上等による原価低減を通じて収益性向上を目指しています。2025年1月には組織改革を行い、BU制組織へ移行しました。
4. 事業モデルの持続可能性
キッツの収益モデルは、バルブや伸銅品の製造・販売であり、幅広い産業分野で利用される製品を提供しているため、安定した需要が見込めます。市場ニーズの変化への適応としては、省エネ・環境対応製品の開発や、海外市場への展開などが重要となります。
5. 技術革新と主力製品
キッツは、流体制御技術をコア技術とし、様々なバルブ製品を提供しています。具体的な技術革新としては、省エネ性能の高い製品開発や、特殊用途向けのバルブ開発などが挙げられます。主力製品は、建設設備、石油化学プラント、半導体製造装置などに使用されるバルブであり、安定的な収益を支えています。
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 964.0円 |
| EPS (1株あたり当期純利益) | 132.64円 (過去12ヶ月) |
| PER (株価収益率) | 7.27倍 (株価 ÷ EPS) |
| BPS (1株あたり純資産) | 1246.15円 (直近四半期) |
| PBR (株価純資産倍率) | 0.77倍 (株価 ÷ BPS) |
| 配当利回り | 4.77% (年間配当46円で計算) |
キッツのPERは7.27倍であり、業界平均の16.6倍と比較して低い水準です。PBRは0.77倍であり、1倍を割れています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年3月25日には1223円でしたが、その後は下落傾向にあり、2025年4月7日の終値は967円でした。50日移動平均線は1172.58円、200日移動平均線は1105.96円であり、株価はこれらの移動平均線を大きく下回っています。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2024年12月期 | 2023年12月期 | 2022年12月期 | 2021年12月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 172,042 | 166,941 | 159,914 | 135,790 |
| 営業利益 (百万円) | 14,220 | 13,688 | 11,051 | 8,991 |
| 経常利益 (百万円) | 15,276 | 14,454 | 12,004 | 7,705 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) | 11,824 | 10,591 | 8,549 | 4,954 |
| 売上高営業利益率 | 8.3% | 8.2% | 6.9% | 6.6% |
| ROE (自己資本利益率) | 11.29% | – | – | – |
| ROA (総資産利益率) | 5.24% | – | – | – |
売上高、営業利益、経常利益、当期純利益は、2021年以降、増加傾向にあります。売上高営業利益率は改善傾向にあります。ROE、ROAも良好な水準です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 4.77% (年間配当46円で計算)
- 配当性向: 34.68%
- 株主還元策: 年間46円の配当を実施しています。
キッツは、安定的な配当を実施しており、高い配当利回りは魅力の一つです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱くなっています。信用買残は増加、信用売残は減少しており、買い方のほうが優勢です。
株価への影響を与える要因としては、世界経済の動向、原材料価格の変動、為替相場の変動、半導体関連市場の動向などが挙げられます。
11. 総評
キッツは、国内バルブ市場で高いシェアを誇る優良企業です。業績は安定的に推移しており、増収増益を続けています。財務状況も良好で、高い配当利回りも魅力的です。株価は割安感があり、今後の成長にも期待できます。ただし、直近の株価は下落傾向にあり、世界経済の動向や原材料価格の変動など、外部環境の影響を受けやすい点には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 6498 |
| 企業名 | キッツ |
| URL | http://www.kitz.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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