1. 企業情報
岡三証券グループは、三重県を地盤とする準大手証券会社です。個人投資家向けの対面営業に強みを持っています。証券ジャパンや投資信託運用会社を傘下に持ち、幅広い金融サービスを提供しています。2022年には中核の対面証券とオンライン証券を統合し、事業の効率化を図っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
岡三証券グループは、証券業界において準大手としての地位を確立しています。リテール部門に強みを持つ一方、オンライン証券との統合による効率化を図っています。競争環境としては、大手証券会社やネット証券との競争が激化しており、顧客獲得のためのサービス拡充やコスト削減が課題となっています。
3. 経営戦略と重点分野
岡三証券グループは、5ヶ年の中期経営計画に基づき、持続的な成長を目指しています。具体的には、ソリューション営業の推進、証券プラットフォーム事業の開始、岡三BANKや岡三UBSファンドラップの提供など、顧客ニーズに応じた多様なサービスの提供に注力しています。
4. 事業モデルの持続可能性
岡三証券グループの収益は、受入手数料、トレーディング損益、金融収益などから構成されています。市場の変動に収益が左右されやすいというリスクがありますが、多様なサービス提供や、オンライン証券との統合による効率化によって、収益基盤の安定化を図っています。
5. 技術革新と主力製品
岡三証券グループは、証券プラットフォーム事業を開始し、顧客の利便性向上を図っています。主力製品としては、個人投資家向けの証券仲介サービス、投資信託、ラップ口座などが挙げられます。
6. 株価の評価
- 株価: 558.0円 (2025年4月7日終値)
- EPS (1株あたり利益): 64.08円 (過去12か月)
- PER (株価収益率): 8.71倍 (株価 ÷ EPS)
- BPS (1株あたり純資産): 1028.54円 (直近四半期)
- PBR (株価純資産倍率): 0.54倍 (株価 ÷ BPS)
PERは業界平均13.3を下回っており、割安感があります。PBRも1.0を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月4日に606円まで上昇した後、4月7日は558円で取引を終えています。50日移動平均線（649.40円）と200日移動平均線（654.80円）を下回っており、短期的な株価は下落傾向にあると考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 858億3100万円 (過去12か月)
- 営業利益: 131億6700万円 (過去12か月)
- 当期純利益: 131億6700万円 (過去12か月)
- ROE (自己資本利益率): 6.74% (過去12か月)
- ROA (総資産利益率): 1.20% (過去12か月)
過去12ヶ月の売上高は増加傾向にあり、利益も大きく改善しています。ROE、ROAは、同業他社と比較して評価する必要があります。
9. 株主還元と配当方針
- 年間配当: 60円 (予想)
- 配当利回り: 9.90% (予想)
- 配当性向: 47.29%
- 自社株買い: 自己株式を保有
高い配当利回りは魅力的ですが、業績連動で変動する可能性があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱まっています。信用取引の状況を見ると、買い残が減少し、売り残が増加しており、弱気な見方が強まっている可能性があります。
11. 総評
岡三証券グループは、個人投資家向けのサービスに強みを持つ準大手証券会社です。業績は回復傾向にあり、高い配当利回りも魅力的です。PER、PBRは割安な水準にあり、株価の割安感を示唆しています。ただし、直近の株価は下落傾向にあり、今後の業績動向や市場環境の変化に注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 8609 |
| 企業名 | 岡三証券グループ |
| URL | http://www.okasan.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 金融（除く銀行） – 証券、商品先物取引業 |
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