1. 企業情報
ミクニは、独立系の2輪・4輪用燃料噴射装置メーカーです。主力製品は、電子制御燃料噴射装置や吸排気系部品であり、家庭用ガス制御機器や航空機部品卸も手掛けています。事業はモビリティ事業（自動車関連）、ガステクノ事業（家庭用ガス制御）、商社事業（航空機部品卸）などに分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ミクニは、燃料噴射装置の分野で一定の地位を築いていますが、詳細な市場シェアは公開されていません。 独立系メーカーとして、特定のメーカーに依存せず、幅広い顧客に対応できる点が強みです。 競争環境としては、大手自動車部品メーカーとの競争に加え、電動化の流れの中で、新たな技術革新への対応が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
ミクニは、中期経営計画の詳細を公開していませんが、直近の決算短信からは、以下の点が読み取れます。
* モビリティ事業: インド市場での成長を維持しつつ、北米パワースポーツ市場の回復を目指す。
* ガステクノ事業: 円安メリットを活かし、販売価格の適正化を図る。
* 商社事業: 航空機部品類の需要を取り込む。
* その他事業: 福祉介護機器等の製造販売事業を継続。
4. 事業モデルの持続可能性
ミクニの収益モデルは、自動車部品の需要に大きく依存します。電動化の流れの中で、内燃機関向けの部品需要が減少する可能性があります。この変化に対応するため、電動化関連製品の開発や、ガス制御機器、航空機部品など、他の事業への注力が重要となります。
5. 技術革新と主力製品
ミクニは、2輪・4輪用の電子制御燃料噴射装置や吸排気系部品を主力製品としています。技術開発の動向としては、環境規制への対応や、燃費性能の向上、電動化への対応が重要と考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 256.0円（2025年4月8日終値）
- EPS（会社予想）: 29.71円
- PER（会社予想）: 8.62倍
- BPS（実績）: 1,112.11円
- PBR（実績）: 0.23倍
- 配当利回り（会社予想）: 5.47%
PERは業界平均（7.3倍）よりやや高く、割高感はありません。PBRは0.23倍と低く、割安感があります。配当利回りは5.47%と高く、株主還元に積極的な姿勢を示しています。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月1日以降、株価は下落傾向にありましたが、4月8日は上昇に転じています。年初来高値は342円、年初来安値は230円であり、現在の株価は安値圏に近い水準です。50日移動平均線は308.88円、200日移動平均線は336.12円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は999.41億円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 2024年3月期は36.72億円と、前期比で増加しています。
- 当期純利益: 2024年3月期は11.15億円と、前期は赤字から黒字に転換しています。
- ROE（実績）: 3.13%
- ROA（過去12か月）: 1.85%
- 自己資本比率（実績）: 35.6%
売上高は増加傾向にあり、利益も改善しています。自己資本比率は35.6%と、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
ミクニは、年間14円の配当を予定しており、配当利回りは5.47%と高水準です。配当性向は35.12%です。また、創立100周年記念配当金10円00銭を含んでいます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、下落傾向から反転しつつあります。信用買残は多く、今後の株価上昇の重荷となる可能性があります。
11. 総評
ミクニは、2輪・4輪用燃料噴射装置を主力とする独立系メーカーです。財務状況は改善傾向にあり、高い配当利回りも魅力的です。一方、電動化の流れや、北米パワースポーツ市場の低迷など、事業環境には課題もあります。株価は割安感があり、テクニカル的にも底打ちの兆しが見られます。今後の業績推移と、電動化への対応に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7247 |
| 企業名 | ミクニ |
| URL | http://www.mikuni.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
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