1. 企業情報
プレシジョン・システム・サイエンス（PSS）は、DNA抽出装置を主力とする、全自動遺伝子診断システムに強みを持つ企業です。遺伝子解析や免疫測定などの装置のOEMも手掛けており、関連試薬も提供しています。事業は、装置、試薬・消耗品、メンテナンス関連、受託製造・検査に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
PSSは、独自のDNA抽出技術を強みとして、遺伝子解析分野で一定の地位を築いています。全自動遺伝子診断システムは、医療現場での効率化に貢献する可能性があります。しかし、競合他社も多く、市場シェアを拡大するためには、技術革新や差別化戦略が重要となります。
3. 経営戦略と重点分野
2025年6月期から2027年6月期を事業再生フェーズと位置づけ、売上高5,564百万円、営業利益438百万円を目標としています。具体的には、収益構造の強化を目指し、臨床診断装置の販売拡大、メンテナンス関連サービスの強化などが重点分野と考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
PSSの収益モデルは、装置販売、試薬・消耗品販売、メンテナンスサービス、受託製造・検査に依存しています。遺伝子解析市場は成長が見込まれますが、技術革新が速く、競合も多いため、継続的な研究開発と、市場ニーズへの迅速な対応が不可欠です。
5. 技術革新と主力製品
PSSは、独自のDNA抽出技術を基盤としています。主力製品は、全自動遺伝子診断システムや関連試薬です。技術開発の動向としては、より高性能な装置の開発や、新たな検査項目の追加などが考えられます。
6. 株価の評価
- 株価: 181.0円
- EPS（会社予想）: (連)-3.47
- PBR（実績）: (連)1.26倍
EPSが赤字のため、PERは算出できません。PBRは1.26倍であり、割安・割高の判断は、同業他社との比較や、今後の業績見通しを考慮する必要があります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2025年4月7日に164円まで下落した後、2025年4月8日には181円まで上昇しています。年初来安値は164円、年初来高値は270円であり、現在は年初来安値近辺に位置しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で3,979,954千円。2024年6月期中間期は2,197,231千円、2023年6月期中間期は2,012,113千円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で-956,246千円。2024年6月期中間期は-111,270千円、2023年6月期中間期は-404,893千円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で-1,121,480千円。2024年6月期中間期は-156,061千円、2023年6月期中間期は-727,710千円。
- ROE（実績）: (連)-23.94%
- 自己資本比率（実績）: (連)64.8%
売上高は増加傾向にあるものの、営業利益、当期純利益は赤字が続いており、収益性の改善が課題です。自己資本比率は64.8%と安定しています。
9. 株主還元と配当方針
現時点では、配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、下落から反発の兆しを見せています。信用買い残は多く、信用倍率は5.45倍と高くなっています。
11. 総評
プレシジョン・システム・サイエンスは、独自のDNA抽出技術を強みとする企業ですが、業績は赤字が続いており、収益性の改善が急務です。2025年6月期から2027年6月期を事業再生フェーズとしており、今後の経営戦略と、その実行状況が注目されます。株価は低迷しており、今後の業績回復と、中期経営計画の達成が、株価上昇の鍵となるでしょう。投資判断にあたっては、リスク要因（市場競争の激化、技術革新の加速、業績の変動など）を十分に考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 7707 |
| 企業名 | プレシジョン・システム・サイエンス |
| URL | http://www.pss.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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