1. 企業情報
- 事業内容: エア・ウォーター株式会社は、工業用ガス、化学、医療、エネルギー、農業、食品、物流、海水関連製品の製造・販売を行う企業です。特に、酸素、窒素、アルゴン、二酸化炭素、水素、ヘリウムなどの産業用および医療用ガスを提供し、医療用酸素で首位を占めています。また、M&A戦略を通じて事業を拡大しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性: エア・ウォーターは産業ガス分野で国内2位、医療用酸素では首位の地位を持ち、鉄鋼や半導体向けに強みを持っています。
- 課題: 半導体市況の停滞など、特定市場の変動に影響を受ける可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョンと戦略: デジタル・半導体関連事業や海外の産業ガス関連事業に注力し、オープンイノベーションを推進しています。
- 中期経営計画: デジタル＆インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス＆セーフティー、アグリ＆フーズなどのセグメントで新規取引先の開拓や技術開発を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 多様な事業ポートフォリオを持ち、産業ガスや医療用ガス、食品、化学製品などの販売を通じて安定した収益を確保しています。
- 市場ニーズの変化への適応力: 低・脱炭素需要への対応やスマート農業技術の開発など、環境変化に対応する取り組みを進めています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 半導体製造を支える特殊ケミカルやガス精製装置の開発を進めています。
- 主力製品: 医療用酸素、産業用ガス、食品加工製品などが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- PER: 8.09倍（業界平均20.4倍）
- PBR: 0.79倍（業界平均1.1倍）
- EPS: 218.74円
- BPS: 2,246.35円
- 現在の株価（1,769.0円）は、PERやPBRから見て割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近の株価は年初来安値からの回復傾向にありますが、50日移動平均線（1,913.13円）よりも下回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上: 増収傾向にあり、2024年3月期は1,024,540百万円。
- 利益: 営業利益は増益傾向で、2024年3月期は66,216百万円。
- ROE: 9.66%で、効率的な資本活用が見られます。
- 自己資本比率: 40.0%で、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.62%
- 配当性向: 31.20%
- 株主還元策: 配当を安定して支払い、自社株買いの実施は確認されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 最近の株価は下落傾向から回復しつつありますが、依然として年初来高値には達していません。
- 影響要因: 半導体市況や国際情勢の変化が株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
エア・ウォーター株式会社は、多様な事業ポートフォリオを持ち、特に産業ガスと医療用ガスで強い競争力を持っています。財務基盤は安定しており、株価は割安感がありますが、半導体市況や国際情勢の変化に注意が必要です。今後も成長分野への投資を継続し、持続可能な成長を目指しています。
企業情報
| 銘柄コード | 4088 |
| 企業名 | エア・ウォーター |
| URL | http://www.awi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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