1. 企業情報
ワールドホールディングス（2429）は、九州地盤に製造派遣・請負を主力とする企業です。主な事業は、製造業を中心とした人材派遣・請負（プロダクツHR）、サービス業向けの人材派遣（サービスHR）、マンション開発・販売などの不動産事業、情報通信事業、農業公園事業など多角的に展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 人材派遣・請負業界に属し、特に製造業向けに強みを持っています。また、不動産事業も展開しており、事業の多角化を図っています。
- 競争優位性: 九州地方を地盤とし、製造業との強い繋がりを持つことが強みです。
- 課題: 人材派遣業界は競争が激しく、景気変動の影響を受けやすいという課題があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 決算短信からは具体的な経営ビジョンは読み取れませんでしたが、各セグメントにおいて事業を拡大する方針が示されています。
- 中期経営計画: 2024年12月期の決算短信では、各セグメントにおける具体的な施策が示されています。
- プロダクツHR事業：半導体人材育成を加速。
- サービスHR事業：新たなビジネス「HRサポート」の展開。
- 不動産事業：フロー収益に加えストック収益の積み増し。
- 情報通信事業：法人向けソリューション部門を強化。
- 農業公園事業：新たな指定管理等案件をスタート。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 主力の人材派遣・請負事業は、景気動向に左右されやすく、収益が変動しやすい傾向があります。不動産事業は、安定的な収益源となる可能性があります。
- 市場ニーズの変化への適応力: 半導体関連の人材需要拡大など、市場ニーズの変化に対応するための施策を講じています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: 人材派遣が主な事業であるため、技術開発というよりは、顧客ニーズに合わせた人材の育成・提供が重要となります。
- 主力製品/サービス: 製造業向けの人材派遣・請負サービスが収益の柱です。
6. 株価の評価
- PER: 6.13倍（会社予想）
- PBR: 0.74倍（実績）
- EPS: 301.19円（会社予想）
- BPS: 2,487.25円（実績）
- PERは業界平均（17.0倍）と比較して低く、割安感があります。
- PBRも業界平均（1.8倍）を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は変動が大きく、2025年3月27日には年初来高値2,218円を記録した後、下落傾向にあります。
- 現在の株価: 1,846円であり、年初来高値からは下落していますが、年初来安値1,730円からは上昇しています。
- 移動平均線: 50日移動平均線（2059円）と200日移動平均線（2019.64円）を下回っており、弱気相場を示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去5年間で増加傾向にありましたが、2024年12月期は増収減益となっています。
- 営業利益: 2024年12月期は減益となっています。
- 当期純利益: 2024年12月期は減益となっています。
- ROE: 11.75%（実績）
- ROA: 3.22%（過去12か月）
- ROEは10%を超えており、良好な水準です。
- 営業利益率、当期純利益率は、過去と比較して低下しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 5.75%（会社予想）
- 1株配当: 106.20円（会社予想）
- 配当性向: 37.91%
- 自社株買い: 2025年12月期の配当性向を35%に引き上げる方針が示されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は下落傾向にあり、モメンタムは弱いです。
- 株価への影響要因: 業績の変動、人材派遣業界の動向、不動産市況などが影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買残が増加傾向にあり、個人投資家の関心は高まっていると考えられます。
11. 総評
ワールドホールディングスは、人材派遣・請負を主力とし、不動産事業など多角的に展開する企業です。PERやPBRは割安感があり、配当利回りも高い水準です。一方、直近の業績は減益となっており、株価も下落傾向にあります。今後の業績回復と、人材派遣業界の動向、不動産市況に注目していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2429 |
| 企業名 | ワールドホールディングス |
| URL | http://www.world-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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