1. 企業情報
帝国繊維株式会社（以下、帝国繊維）は、消防ホースで国内首位を誇る企業です。防災製品・設備、特殊車両、救助・捜索用機器、CBRNE（化学、生物、放射線、核、爆発物）テロ対策関連製品などを製造・販売しています。また、消防・防災用保護衣料、産業用ゴム製品、テント、リネン糸・織物などの繊維製品も手掛けています。1907年創業の歴史を持ち、旧安田系の企業です。事業は防災事業が中心で、繊維事業、不動産賃貸事業も展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
帝国繊維は、消防ホース分野で高い国内シェアを占めており、防災関連製品においても一定の地位を確立しています。近年は、自然災害の増加やテロ対策への意識の高まりを背景に、防災関連製品の需要が拡大傾向にあります。
競争優位性:
- 消防ホース分野での高いシェア
- 長年の実績と信頼
- 官公庁との強固な取引関係
課題:
- 原材料価格の変動リスク
- 国内外の経済情勢による影響
- 競合他社との競争激化
3. 経営戦略と重点分野
帝国繊維は、中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤作り」を掲げ、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指しています。
重点分野:
- 防災ビジネスの拡大と深化
- 防災関連製品のラインナップ拡充
- 官公庁向け製品の強化
- 高機能繊維素材の開発と販売促進
4. 事業モデルの持続可能性
帝国繊維の収益モデルは、防災関連製品と繊維製品の販売を柱としています。近年、自然災害の増加やテロ対策の強化により、防災関連製品の需要は増加傾向にあり、事業の持続可能性は高いと考えられます。また、官公庁との安定的な取引関係も強みです。
市場ニーズの変化への適応力:
- 防災関連製品の需要増加に対応
- 高機能繊維素材の開発による差別化
5. 技術革新と主力製品
帝国繊維は、消防ホースや救助工作車などの防災製品において、技術革新を進めています。
主力製品:
- 消防ホース
- 救助工作車、消防車などの特殊車両
- CBRNEテロ対策関連製品
- 高機能繊維素材
6. 株価の評価
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 株価 | 2,382.0円 |
| PER（会社予想） | 14.84倍 |
| PBR（実績） | 0.94倍 |
| EPS（会社予想） | 160.61 |
| BPS（実績） | 2,534.19 |
| 配当利回り | 2.31% |
PERは業界平均（21.7倍）を下回っており、割安感があります。PBRも1倍を下回っており、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、2164円から2633円の間を変動しており、2382円で取引されています。200日移動平均線は2517.25円、50日移動平均線は2456.42円です。
直近の株価は、年初来高値（2633円）から下落しており、50日、200日移動平均線を下回っていることから、やや弱気な地合いと見られます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で314.8億円と、前年同期比で12.3%増と増収です。
営業利益: 過去12ヶ月で34.6億円と、前年同期比で33.8%増と大幅増益です。
純利益: 過去12ヶ月で32.5億円と、前年同期比で33.0%増と大幅増益です。
ROE: 4.97%
ROA: 2.67%
自己資本比率: 80.0%と財務体質は良好です。
業績は好調に推移しており、売上高、利益ともに増加しています。自己資本比率も高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 配当利回り（会社予想） | 2.31% |
| 1株配当（会社予想） | 55.00円 |
| 配当性向 | 40.50% |
帝国繊維は、安定的な配当を実施しており、配当利回りも2%を超えています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、上昇と下落を繰り返しており、方向感に欠ける展開となっています。信用買い残は減少傾向にあり、信用倍率は5.86倍と高めです。
株価への影響要因:
- 防災関連製品の需要動向
- 原材料価格の変動
- 国内外の経済情勢
- 能登半島地震などの自然災害による影響
11. 総評
帝国繊維は、消防ホースで高いシェアを誇り、防災関連製品の需要増加を背景に業績を伸ばしています。財務体質も良好で、安定的な配当も魅力です。株価は割安感があり、今後の業績拡大も期待できます。
ただし、直近の株価は調整局面にあるため、今後の株価動向には注意が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 3302 |
| 企業名 | 帝国繊維 |
| URL | http://www.teisen.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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