1. 企業情報
- 事業内容: コーセルは、スイッチング電源の標準品を製造・販売する企業です。産業機器向けに強みを持ち、情報通信、医療、FA(ファクトリーオートメーション)などの分野で利用される電源を供給しています。生産拠点は中国にあり、台湾のLITE-ON社が筆頭株主です。
- 特徴: 国内スイッチング電源市場で2位のシェアを持ち、産業機器向けに注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内スイッチング電源市場で上位に位置し、産業機器分野に強みを持っています。
- 競争優位性: 産業機器向けという特定の市場に注力することで、専門性と技術力を高めています。
- 課題: 競合他社との価格競争、市場ニーズの変化への対応、原材料価格の変動などが課題として挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営戦略: 顧客訪問営業による拡販活動、新製品を軸に重点顧客への提案、LITEON製品のクロスセル推進
- 中期経営計画: 2025年5月期第3四半期決算短信によると、LITEONとの資本業務提携による新株式発行と自己株式の処分を実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: スイッチング電源の製造・販売による収益。産業機器向けに特化することで、安定した需要を確保することを目指しています。
- 市場ニーズへの適応力: AI関連投資の活発化、エレクトロニクス業界の動向に対応していく必要があります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: スイッチング電源に関する技術開発を進めています。
- 主力製品: 産業機器向けのスイッチング電源が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- 株価: 1,012.0円 (2025年4月10日)
- EPS (会社予想): 18.93円
- PER (会社予想): 53.46倍 (業界平均: 24.2倍)
- BPS (実績): 1,380.23円
- PBR (実績): 0.73倍 (業界平均: 1.6倍)
- 評価: PERは業界平均よりも高く、割高感があります。PBRは業界平均を下回っており、割安感があります。
7. テクニカル分析
- 株価推移:
- 年初来高値: 1,127円
- 年初来安値: 916円
- 直近10日間の株価は、916円から1094円の間を変動しています。
- 50日移動平均: 1032.48円
- 200日移動平均: 1135.43円
- 現状: 株価は年初来安値から上昇し、50日移動平均を下回っています。200日移動平均も下回っており、下落トレンドにある可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年5月期は352.67億円、2025年5月期第3四半期までの累計売上高は212.17億円で、前年同期比で減少しています。
- 営業利益: 2024年5月期は49.26億円、2025年5月期第3四半期までの累計営業利益は7.3億円で、前年同期比で大幅に減少しています。
- 経常利益: 2024年5月期は52.12億円、2025年5月期第3四半期までの累計経常利益は6.39億円で、前年同期比で大幅に減少しています。
- ROE (実績): 11.58%
- ROA (過去12か月): 1.79%
- 自己資本比率 (実績): 86.6%
- 分析: 売上高、利益ともに減少傾向にあり、収益性が悪化しています。自己資本比率は高く、財務基盤は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り (会社予想): 5.43%
- 1株配当 (会社予想): 55.00円
- 配当性向: 239.89%
- その他: 2025年5月19日が配当落ち日です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動: 直近では、株価は下落傾向にあります。
- 出来高: 直近10日間の平均出来高は160,520株と、活発な取引が見られます。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向にあり、買い圧力が強くなっています。
11. 総評
コーセルは、産業機器向けのスイッチング電源で一定のシェアを持つ企業です。しかし、直近の業績は売上高、利益ともに減少しており、厳しい状況です。株価はPERが高く割高感がありますが、PBRは低く割安感があります。テクニカル面では下落トレンドにある可能性があります。高い配当利回りは魅力的ですが、業績悪化を考慮すると、今後の株価動向には注意が必要です。投資を検討する際は、業績回復の見通しや、今後の市場動向を注視する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 6905 |
企業名 | コーセル |
URL | http://www.cosel.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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