1. 企業情報
日本電技は、ビル空調計装工事を主力とする企業です。オフィスビル、工場、病院、学校、商業施設などの大型建物向けに、空調システムの設計、施工、保守、管理を行っています。また、工場搬送ラインなどの産業用自動制御システムも手掛けています。アズビルとの提携関係があります。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本電技は、ビル空調計装工事分野で大手の一角を占めています。詳細な市場シェアに関するデータは開示されていませんが、大型物件を中心に実績を積み重ねています。競争優位性としては、長年の経験と技術力、アズビルとの連携によるシステム提案力などが挙げられます。課題としては、建設業界全体の動向や、競合他社との価格競争などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
2025年3月期の第3四半期決算短信からは、具体的な中期経営計画や重点分野に関する詳細な情報は読み取れませんでした。しかし、売上高と利益の成長を続けており、空調計装関連事業と産業システム関連事業の両輪で事業を展開しています。
4. 事業モデルの持続可能性
日本電技の事業モデルは、建物の新築・改修需要に支えられており、安定した収益基盤を築いています。空調システムは、建物の運用において不可欠な設備であり、メンテナンス需要も継続的に発生するため、安定した収益が見込めます。市場ニーズの変化への適応としては、省エネ性能の高いシステムの提案や、IoT技術を活用した遠隔監視・制御システムの導入などが考えられます。
5. 技術革新と主力製品
日本電技は、空調制御システムに関する技術力を有しています。具体的な技術開発の動向や、独自性に関する情報は限られていますが、省エネ性能向上や、IoT技術との連携などが今後の技術開発の重点となる可能性があります。収益を牽引している製品としては、大型建物向けの空調制御システムや、工場向けの自動制御システムが挙げられます。
6. 株価の評価
- 株価: 3,530円
- PER（会社予想）: 9.12倍 (業界平均: 11.3)
- PBR（実績）: 1.51倍 (業界平均: 0.7)
- EPS（会社予想）: 386.87円
- BPS（実績）: 2,340.26円
PERは業界平均よりも低く、割安感があります。PBRは業界平均よりも高いですが、自己資本の充実度を考慮すると、妥当な範囲内と言えるかもしれません。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月1日に年初来高値4,055円をつけた後、調整局面に入り、足元では3,530円で取引されています。50日移動平均線（3,707.80円）を下回っており、短期的には下落トレンドにある可能性があります。200日移動平均線（3,181.82円）がサポートラインとして意識される可能性があります。
8. 財務諸表分析
| 指標 | 2024/3 | 2023/3 | 2022/3 | 2021/3 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万円) | 38,894 | 34,308 | 31,669 | 34,079 |
| 営業利益 (百万円) | 6,251 | 4,505 | 4,077 | 4,587 |
| 経常利益 (百万円) | 6,311 | 4,610 | 4,403 | 4,658 |
| 当期純利益 (百万円) | 4,672 | 3,167 | 3,029 | 3,324 |
| 売上高成長率 | 13.4% | 8.3% | -6.9% | – |
| 営業利益率 | 16.1% | 13.1% | 12.9% | 13.5% |
| ROE | 14.26% | – | – | – |
| ROA | 11.29% | – | – | – |
| 自己資本比率 | 74.9% | – | – | – |
- 売上高は、2023年3月期に大きく増加し、2024年3月期もさらに増加しています。
- 営業利益、経常利益、当期純利益も、2023年3月期以降、大幅に増加しており、収益性の向上が見られます。
- ROEは14.26%と高く、効率的な経営が行われていることがわかります。
- 自己資本比率も74.9%と高く、財務体質は健全です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.34%
- 1株配当（会社予想）: 118.00円
- 配当性向: 26.64%
- 自社株買い: 記載なし
配当利回りは3.34%と、ある程度の水準を維持しています。配当性向も26.64%と、無理のない範囲で配当を行っています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年4月1日に年初来高値をつけた後、調整局面に入っています。信用倍率は462.00倍と高く、買われ過ぎの可能性があります。
株価への影響を与える要因としては、
* 業績動向: 業績が好調であるため、今後の決算発表の内容が注目されます。
* 金利動向: 金利上昇は、建設投資に影響を与える可能性があります。
* 市場全体の動向: 株式市場全体の地合いも、株価に影響を与えます。
11. 総評
日本電技は、ビル空調計装工事を主力とする安定的な事業基盤を持つ企業です。業績は好調に推移しており、財務体質も健全です。株価は割安感があり、配当利回りも魅力的です。ただし、直近の株価は調整局面にあるため、今後の株価動向には注意が必要です。投資判断にあたっては、業績の推移、市場環境の変化、競合他社の動向などを総合的に考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 1723 |
| 企業名 | 日本電技 |
| URL | http://www.nihondengi.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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