1. 企業情報
神東塗料は、住友化学系の塗料メーカーです。建築、防食、道路、新幹線軌道用など幅広い分野向けの塗料を製造・販売しています。特に、電着塗料や粉体塗料に強みがあり、新幹線向けの軌道材料も提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
神東塗料は、塗料業界において中堅企業に位置しています。電着塗料や粉体塗料といったニッチ分野で一定のシェアを確保していると考えられます。競争優位性としては、特定の分野における技術力や、新幹線向けといった特殊な用途への対応が挙げられます。課題としては、大手塗料メーカーとの競争や、原材料価格の変動による影響が考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
最新の決算短信によると、神東塗料は、インダストリアル分野（粉体塗料、工業用電着塗料）、インフラ分野（建築塗料、子会社の工事売上）、軌道材料製品分野に注力しているようです。一方、自動車用塗料分野は、自動車メーカーの認証不正問題の影響を受けています。
4. 事業モデルの持続可能性
神東塗料の収益モデルは、塗料の製造・販売であり、景気変動の影響を受けやすいと考えられます。市場ニーズの変化への適応としては、環境対応型塗料の開発や、高機能塗料へのシフトなどが重要になります。
5. 技術革新と主力製品
神東塗料は、電着塗料や粉体塗料といった分野で技術的な強みを持っています。新幹線向けの軌道材料も、同社の独自性を表す製品と言えるでしょう。
6. 株価の評価
- 株価: 121.0円（2025年4月11日時点）
- PER（会社予想）: 18.73倍
- PBR（実績）: 0.28倍
- EPS（会社予想）: 6.46円
- BPS（実績）: 438.84円
PERは業界平均（15.9倍）をやや上回っています。PBRは0.28倍と低く、割安感があります。EPSは6.46円、BPSは438.84円です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年4月10日に大きく上昇した後、120円近辺で推移しています。年初来高値は167円、年初来安値は113円です。50日移動平均線は131.82円、200日移動平均線は132.23円です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2024年3月期は189.54億円。2025年3月期第3四半期累計では161.10億円（前年同期比8.4%増）と増収傾向。
- 営業利益: 2024年3月期は▲476百万円と赤字。2025年3月期第3四半期累計では280百万円と黒字転換。
- 当期純利益: 2024年3月期は▲497百万円と赤字。2025年3月期第3四半期累計では295百万円と黒字転換。
- ROE（実績）: -3.71%
- 自己資本比率（実績）: 40.2%
過去数年間の業績は、2021年を除き、赤字または低水準の利益となっていましたが、2025年3月期第3四半期には黒字転換しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
現状では配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年4月10日に急騰しましたが、その後は落ち着いています。信用買残は増加傾向にあり、投資家の関心が高まっている可能性があります。
11. 総評
神東塗料は、電着塗料や粉体塗料に強みを持つ中堅塗料メーカーです。2025年3月期第3四半期には黒字転換するなど、業績回復の兆しが見られます。しかし、配当は実施されておらず、PERは業界平均をやや上回っています。株価は直近で上昇しましたが、今後の業績動向や、大日本塗料による株式公開買付けの動向に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4615 |
| 企業名 | 神東塗料 |
| URL | http://www.shintopaint.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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